ダイハツ トコット(1)
DAIHATSU TOCOT

やっぱり女性でなければ!数々のアイデア

カドは丸みを帯びているが、全体としては水平基調の見切りのいいデザイン。運転しやすい。

ツートーンカラーもある。ピンクにホワイトの組み合わせ(写真)は多少目立ち過ぎの感もある。

ステアリングは基本的には軽い。しかし不安はない。高速では十分重くなる。ある意味、絶妙。


新色はこのピンクのほかにライトなブルーとグリーンの計3色。全体では8色から選べる。

居心地の良さにこだわったインテリア。シンプルだが、シートなどには女性らしい配慮もあり。

前後どちらから読んでもTOCOT。テールランプはフロントと丸型。ターンランプは上部になる。


※画像クリックで拡大表示します。

 企画の立ち上げから女性社員でプロジェクトを組んで、若い女性に向けて開発を進めた「TOCOT」。運転の不安、事故への不安をサポートする肩肘張らず自然体でいられる「シンプルだけどホッとする」そんな女性の思う自然体のクルマとは、どんなものか。一般女性を対象に、細やかなリサーチを繰り返すうちに、少なからずも、クルマ業界女子では計り知れないクルマに対する感覚が一般女性にあることに新鮮な驚きがあったらしい。
 たとえば「ハンドルは軽い方がいい」という意見。車庫入れなどの駐車時に神経を使って大変なのだから、ハンドルが重かったら余計シンドイという意見があり、TOCOTのハンドルは驚くほど軽いものになった。通常、ハンドルが軽すぎると、走行安定性について不安に感じるものだが、駐車時などの低速でのハンドルさばきが指1本でできるほど軽いのに、車速に合わせてしっかりとした感覚に味付けされている。低速時のハンドルの軽さには、違和感がある人もいるかもしれない。しかし、その味付けは絶妙だった。いろいろな意見もあったようだが、各部署の女性社員が団結し、一般女性の理想に沿って作り上げたものだという。
 そのほか女性らしい目の付けどころといえば、明るい室内の決め手となるベージュとブラウン2色使いのシート。若い女性がミニスカートやショートパンツでクルマに乗ったとき、太ももの裏側がじかにシートに触れる、そこで肌触りや通気性の良さ、汚れにくさが気になるもの。そこで、質感の高いファブリックシートを採用し、シートバックはベージュ、座面は汚れが目立たないブラウンにした。洒落感があるカラーリング、肌触りも座り心地も良く、適度なホールド感も落ち着く仕上がりだ。
「らしさ」よりも本来の自分を見つめ直した
 TOCOTの魅力のポイントは4つ。(1)車両感覚がつかみやすく運転しやすい「シンプルだけどホッとする四角いカタチ&あたたかみのあるシート」、(2)視界が広く、直観的に操作できる見やすいインパネで「座って安心」、(3)ハンドルが軽いから取り回しがラクで、運転サポート機能も万全だから「走って安心」、(4)安全運転を支援するスマートアシストIIも装備している(※エントリーグレードのL以外の全車)から「もしもの時も安心」。
 そのほか女性が気にする6エアバッグ全車標準装備とか、バッグや飲み物がちょい置きできるセンターコンソールトレイ、USBソケット2口装備(G“SAI”、X“SAII”)など、使い勝手の良さも充実していた。
 TOCOTは、これまでの既成概念にある「女性」のイメージにとらわれず、自分らしさを軸に、素の魅力にこだわっている。見て触れて、走ってみて感じたのは、運転操作の自然さだった。自然に運転できるということは、良く考え抜かれたクルマということでもある。男性の思い描くそれとは異なる価値観を、現代女性の等身大の思いを、飽きのこないシンプルな四角いスタイルに凝縮させたクルマといえるだろう。

報告:緒方昌子
写真:佐久間健

<緒方 昌子 > 最終更新:2018/07/23