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「中間加速が伸びたことをぜひ確認して下さい」
試乗前のプレゼンテーションで日産の担当者が言った。
事実、配布された資料にはその差がグラフで示されている(80─120km/h域で加速は13%速いと)。加速Gもリーフが50km/hから下がるのに対してリーフ+は70km/hからとなる。つまり、加速感の頭打ちがリーフよりもずっと遅くなるということだ。
で、まずそれを確かめた。実際想像以上に速かった。速すぎる! モーターだから低回転から加速がいいのには驚かない。しかしここまでとは。その韋駄天ぶりは相当なスピードまで続く。それもほとんどパワートレインの騒音なしにだ。もちろんエコモードにすれば加速はおだやかになるけど。
リーフ+では走行距離の延長(322?→456km)がとかく話題になりがちだ。これはこれで凄いと思う。と同時に性能も大きく向上していた。バッテリーの容量は従来の40kWhから62kWhに。これによって最大出力は110kWから160kWへと、約45%も向上しているのだ。日本では例が少ないが、たとえばアメリカのフリーウエイへの合流などでこの加速力は大きな武器になる。
さらに驚いたのは操安性の確かさだ。この点はあまり期待していなかった。なのに、高速での操舵フィーリングがしっかりした。乗り心地もいいし、スタビリティも高い。重量化に伴ってサスペンションの仕様を変え、車体剛性の向上をはかったという。車体のロール角も5%ほど減ったと資料は説明するが、今回の試乗では明確には確認できなかった。
ただ、リーフは速さを第一義に求めるクルマではない。日常走行に使うだけならこんなにパワーはいらない。航続距離も従来リーフの322kmでこと足りる(日産の調べによれば95%のドライバーが1日当たりの200km未満だという)。
そのせいもあってか、販売開始1か月で62kWhの+を望む人は40%、60%のユーザーは従来のリーフでいいという。ま、これには価格の影響もあるかもしれない。40kWhが約324万円〜約399万円なのに対して62kWhは約416万円〜約472万円(消費税込み)。その差は決して小さくはない。
爆発的に売れてスケールメリットが出れば
外から見てこのもモデルがリーフ+と分かるのはフロントバンパー下のブルーのリップスポイラーとe+ロゴを追加された急速充電ポートぐらいだ。EVにとって欠かせないのは充電、それも重要なのは急速充電である。+のSOC(State of Charge)50%からの30分充電量は40%アップ。新型バッテリーは大電流に対応しているから急速充電でも有利だ。
少し気になったのはブレーキ。e-ペダルだからアクセル開度によって減速ができるはずだが、混雑路ではアクセルをOFFにしても反応が鈍いケースがあった。試乗後に訊くと、ゆっくりOFFにすると効き目が弱いこともあるとか。カパッと離せばもっときく、という。そりゃそうでしょ。
自動運転サポートProPILOTは使いやすくなったようだ。もともとセッティングが簡単(ステアリングホイールのスイッチを2度押すだけ)だったが、コーナーでの追従性が向上したようだった。願わくば中国あたりで爆発的に売れてスケールメリットが発生し、価格が一段と安くなればいい。
報告:神谷龍彦
撮影:佐久間健