BMW 3シリーズ

よりアグレッシブなデザインに。初代比ではかなり大きい

試乗車は330i Msportと追加されたディーゼル4WDの320d xDrive Msport。

ディーゼルの320d xDrive Msport。エンジン、4WDともに走りに不満はなかった。

スピード、タコメーターともに下からセンターにせり上がる。ちょっと慣れが必要かも。


シートはホールド、クッションともほぼパーフェクト。日本車に比べて一日の長ありか。

330iのツインスクロール・ターボ・エンジンは5kW、50Nmのアップ。力強く乗りやすい。

スポーティファミリーセダンとしては文句なし。ただ、ステアリングホイールは太すぎるのでは。


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 BMW 3シリーズは1975年に初代が導入されて以来の累計生産台数が1500万台を超え、世界市場はもちろん、国内でもまさにBMWの基幹車種であるとともに、スポーツセダンの代表選手ともいえるモデルだ。
 去る1月から販売が開始された新型3シリーズは7代目で、5月に新世代クリーンディーゼルエンジンと四輪駆動システムを搭載した“320d xDrive”が追加導入された。新型3シリーズの外観スタイルはBMWのアイコンでもあるキドニー・グリルが一体化されるとともに、全体的によりアグレッシブで魅力的なデザインとなり、内装もフル・ディジタル・メーターをはじめドライバーの操作性を重視したより機能的な空間となった。
 初代と比較すると、全長は360?長い4715?、全幅は200?広い1825?、ホイール・ベースは300?長い2850?、とかなりサイズアップされているが、それでもマツダ3セダンと対比では、全長が55?長く、全幅が30?広い程度の差で、ファミリーセダンとしてはジャストサイズといえそうだ。

320iのエンジンは日本市場専用。モノ言うBMWジャパン

 日本はBMWにとっての6大市場の一つとのこと、輸入車販売のトップ3を堅持しているBMWにミニを合わせればトップのベンツを超える販売台数となり、BMWにとって非常に重要な市場であることは自明で、商品企画段階からのBMWジャパンの各種提案は貴重なものとなっているようだ。新型3シリーズのベースモデル320iのエンジンは、日本の道路事情、顧客の要望、日本市場の重要性を踏まえた日本市場専用とのこと。
 今回試乗した“330i MSport”には、2リッター直列4気筒エンジンにツイン・スクロール・ターボ過給システム、高精度ダイレクト・インジェクション・システム、無段階可変バルブ制御システム、可変カムシャフト制御システムなどが組み合わされた最高出力258馬力、最高トルク400Nmという高性能エンジンが搭載されており、低速から高速までの走りは実に爽快だ。
 一方の“320d xDrive MSport”には、低回転と高回転で切り替わる2ステージ・ターボ・システムを採用した新世代クリーン・ディーゼルとBMWの4輪駆動システムxDriveが組み合わされており、低速から高いトルクを発揮、走行中に路面状態を検知し車速やステアリング操舵に応じて前後のトルク配分を最適化してくれる4駆システムとともに、実に満足のゆく走りを体感することができた。
 6代目と7代目の外寸の差はあまり大きくないなかで、ホイール・ベースが40?、トレッドがフロント43?、リア21?拡大され、重心は10?下がり、55kgの軽量化がはかられ、加えてサス周りの剛性は50%もアップされているという。これらの改善も貢献してか、試乗した両モデルのハンドリングのリニアリティーの高さと気持ち良さにも感銘、総じて新型3シリーズがクルマ好きの人達のファミリーカーとして大変魅力的なスポーツセダンに仕上がっていることを確認することが出来た。
 BMWがいかに3シリーズをプレミアム・スポーツセダンとして大切に考えているかが良く分かるとともに、今後もBMWの基幹車種としてますます強化されそうだ。唯一個人的にやや違和感があったのは、ステアリングホイールの太さで、BMWが何故ステアリングホイールをあのような太さとしたのか、納得のゆく説明を聞きたいところだ。

似て非なる日産のプロパイロット。どちらが実用的か

 走りだけではない。3眼カメラ、高性能プロセッサー及びレーダーにより、正確なレーン・キープ、より離れた場所の危険予測、広い視野での危険予測が可能となる運転支援システムが3シリーズの量産グレードに“標準装備”されたことにも注目したい。ストップ&ゴー機能付きアクティブ・クルーズ・コントロール、車線変更警告システム、車線逸脱警告システム、衝突回避・被害軽減ブレーキ、クロストラフィック・ウォーニングなどが装備されるとともに、高速道路渋滞時に機能するハンズオフ機能、35km/h以下の走行時に、直前の50mを自動でもどってくれるリバース・アシスト機能などの運転支援機能も多くのユーザーにとって大変魅力的なものとなろう。
 日産の先進運転支援システム「プロパイロット2.0」は、3次元地図データの活用、7個のカメラ、5個のミリ波レーダー、12個のソナーなどを使った、かなりコストが高く、重量もかさむと思われ、最上位のスカイライン・ハイブリッドにのみ標準装備していることとは戦略上の違いが明確であり、非常に興味深い。日産のシステムは高速道路なら制限速度域までハンズオフが可能だが、実際の交通流は制限速度よりかなり高いことは間違いなく、実用上果たしてどのくらい活用できるシーンがあるかは興味深いところだ。
 一方BMW3シリーズ量産グレードに標準装備される運転支援システムのハンズオフは、高速道路の巡航では使えないが、60km/h以下で前に車がいる場合の高速道路の渋滞状態で活用できることのメリットは大きいはずで、リバース・アシストも含めて、3シリーズユーザーの今後の反応は大変興味深い。

報告:小早川隆治
写真:佐久間健 怒谷彰久

最終更新:2019/10/15