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ヤリスはトヨタがグローバルに展開してきたコンパクトカーで、日本仕様は「ヴィッツ」としてポピュラーな小型車であった。4代目にあたる新型は、日本仕様もヤリスの名で統一、2019年12月20日に発表され、2020年2月10日に国内で発売を開始した。
試乗車はハイブリッドG。静かで、滑らか、力強い
新開発プラットフォーム「GA-B」を採用したボディサイズは、FF車の場合で全長×全幅×全高=3940×1695×1500?、4WD車のみ全高が1515?で、全体には先代に比べて大きく変わらないが、ホイールベースは40?延長され2550?となる。躍動感のあるモダンなスタイリングが特徴的で、ボディカラーはモノトーンが12色、ホワイト、またはブラックのルーフを組み合わせたツートンが6色と、豊富なバリエーションが用意される。
搭載されるパワーユニットは3種類で、1リッター直3、1.5リッター直噴直3ユニット「ダイナミックフォースエンジン」、さらにこのエンジンを基本にハイブリット版もある。6MTとCVT、4WDが組み合わせられ、ハイブリットは電気式4WDシステム「E-Four」となるCVTのみ、1リッター車はFF/CVTのみとなり、グレードは装備によって、X、G、Zが用意される。
今回試乗したのは、ハイブリッドGのFF/CVTだった。まず感じるのはやはりハイブリッドのメリットで、スロットルに対する反応は素早く静かで、滑らかにそして力強く加速する。
コンパクトカーのワクを超えた安全装備
ハイブリッドは1.5リッターのガソリン仕様に対して60kgほど重くなるが、思いのほか軽快で、運動性能への影響も少ないように感じる。さらにその重さの差が好影響を与え、コンパクトカーでありながら、ひとクラス上の重厚感を感じさせてくれるのもメリットのひとつだ。新開発のプラットフォームによる剛性感の高さもその要因であろう。今回の試乗は市街地がほとんどだったが、スポーティな感覚や上質な乗り心地を味わうこともできた。
さらに安全装備も充実していて、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が標準装備となるほか、トヨタのコンパクトカーとして初めて「レーダークルーズコントロール」と「レーントレーシングアシスト」が搭載される(1リッターモデルを除く)。
ステアリングとアクセル、ブレーキを自動制御する高度駐車支援システム「Advanced Park(アドバンストパーク)」も新しい。また、リチウムイオンバッテリーを採用したことも見逃せない。充電能力も2倍になり、さらに従来型に対して30%の出力アップしたことで、モータードライブのメリットもより大きくなっていることも見逃せない。基本的には、国産のコンパクトカーとしては、かなりレベルが高く、完成度も高い。
報告:中川和昌
写真:佐久間 健