どのメーカーもSUV攻勢に余念がない。もちろんアウディだって負けてはいない。Q2(全長4200×全幅1795×全高1500mm 1.0ℓ=116ps/1.4ℓ=150ps)、Q3(4400×1830×1615mm 1.4ℓ=150ps)、Q5、 Q7(5070×1970×1735mm 2.0ℓ=252ps 3.0ℓ=333ps)とバリエーションは豊富だ。
この中でもっとも成功しているのがQ5だという。初代が日本に登場したのは2009年だが、世界で160万台以上売れ、昨年も28万台という販売実績を誇る。
このトップセラーのQ5が新しくなった。3サイズは少し長くなって、全長4680×全幅1900mm。先代に比べると50mm長くなったが、全幅は変わらない。1900mmでも日本では大きめに感じることがあるが、何はとまれ横に膨張しなかったのはいいことだ。幅は気になるが、長さが延びるのはドライビングにさほど影響はないから。
ボディは軽量化設計の結果、60kg軽くなった。パワートレインは2.0ℓ直列4気筒ターボ。最高出力は252ps(185kW)、最大トルクは370Nmだから、従来よりも22ps、20Nmのアップだ。これと組み合わされるのは全面的に改善された7速Sトロニック。JC08燃費は13.9km/ℓと、これも11%と大幅な改善だ。
Qの語源でもあるクワトロシステムも新しくなった。従来のフロント40%、リア60%のトルク配分を見直し、低負荷時にはFWD(前輪駆動)で走行抵抗を減らし、大きなトラクションが必要とされる状況では自動的にクワトロにする。
センサーから送られてくる舵角、前後左右の加速度、エンジントルクなどのデータから制御システムがこの判断を担う。具体的には、トランスミッション後端のAWDクラッチとリアデフ内のデカップリングクラッチを瞬時に断続することによって駆動方式を変える。
メーターパネルは、オプションでバーチャルコクピットが選べるようになった。12.3インチの大型モニターに、メーター類やDIS(ドライバー・インフォメーション・システム)のほかにナビまで一元化されたシステムである。日本で最初に搭載されたのはTTだったと思うが、その時よりも違和感が少ない。ナビだけでなくメーターの動きもよりクリーン&リアルになった。
安全対策もトップレベルだ。ただし、65km/h以下の混雑路で加減速だけでなく同一車線でのステアリング操作を補助する「トラフィック・ジャム・アシスト」や、65km/h以上でウインカー操作をしないで車線を逸脱しそうになった時にステアリングが介入する「アクティブ・レーン・アシスト」などは12月以降に販売されるモデルに標準装備される。価格は657万円(税込み)。
Q5の上にはトップモデルとしてSQ5が用意されている。先代のQシリーズ中20%をこのモデルが占めたという。エンジンはV6型3.0ℓターボで、最高出力は354ps(260kW)。過給システムがスーパーチャージャーからターボになった。0-100km/h加速5.4秒という俊足SUVだ。価格は887万円。
なお、新Q5の誕生を記念して250台の限定車「Q5 1st edition」が発売される。こちらは704〜713万円。どのモデルも10月2日から販売開始である。
報告:神谷龍彦
写真:佐久間健 アウディ・ジャパン
より幅広く平たくなったシングルフレーム・グリル。ホイールアーチのフレアなども特徴。
クーペのようなルーフラインと大きめのルーフスポイラー、ラップラウンドのテールゲート。
全長50mm、ホイールベース15�長くなった。最低地上高は155〜185�。エアサス車は160�。
室内はかなり広い。ドライビングに必要な情報が纏められたバーチャルコクピットはオプション。
このメーターから得られる情報は多い。タコとスピード・メーターの大きさもガラッと変えられる。
エンジンの改良も著しい。Q5は252ps、SQ5は354ps。軽量化+パワーアップ。効果絶大。