館山の外れに位置する布良は、既に春の日ざしは降り注いでいた。東京からアクアライン経由なら僅か1時間程の近距離。ブラリと訪ねてみるのもいい。

 

童謡「月の砂漠」の作詞者「加藤まさを」は、御宿海岸をイメージに作詞したと言われる。その縁で昭和44年に月の砂漠記念像が建てられ、傍らに月の砂漠記念館が建設された。

 

大洗と那珂川を挟んで対岸の那珂湊は漁業の町。近年、水産物直売の市場を開放、多くの観光客を誘致する。

 

大洗磯前神社は開闢1150年におよぶ由緒ある神社。航海安全祈願、豊漁祈願などに訪れる漁業関係者などで賑わう。社殿からの太平洋の眺めは絶景!

 

夕焼けに染まる銚子の小さな漁港で休息する2台の207。都会の喧噪を忘れて、のんびりとした時間を過ごすには最適の場所だろう。

 

 

 

 

 海が見たくなった。そう思い立って仲間を誘った。ついでに旨いモノでも食べようか?

 いつもなら体が覚醒していない朝7時、2台の207は人の気配の薄い青山・表参道で落ち合った。駆り出した1台は真新しいプジョー207CC GT、もう1台はHB版の207Ciero。

 ともに都会の空気によく馴染んでいる。表参道を後に、霞ヶ関から首都高速に入って湾岸線と乗り継ぎ、アクアラインを走り抜けるとそこは房総の入り口、木更津だ。さらに館山道を乗り継いで富浦I/Cで国道127号線に出ると、道の両側に南国ムードを漂わせるフェニックスが立ち並ぶ。
 館山市文化ホール前交差点を直進し、国道410号線に入り、「布良(めら)海岸」を目指す。「布良海岸」は館山市の外れの小さな入り江だが、何故かホッとするナイススポットだ。もう10年になるだろうか、テレビドラマ「ビーチボーイズ」の主要ロケ地として話題になり、ようやく、その喧騒も静まり、かつての「布良」の姿を取り戻している。

 布良を後にし、右手に海を、左手に露地の花々を見ながら房総フラワーライン(国道410号線)を走り続ける。千倉のプチホテル&カフェ「PORT MAISON ROOMS」(電話:0470-43-1008)が次のお目当て。「PORT MAISON ROOMS」の「カフェオレ・マイヨール」と「生ハムと半熟タマゴのピザ」が食べたいのだ。この「カフェ・マイヨール」素潜り水深100Mの世界記録を達成し、自然環境保全に大きな役割を果たした「ジャック・マイヨール」直伝の味、エスプレッソとミルク、蜂蜜の絶妙なハーモニーがお勧めの一品だ。

 千倉安馬谷から国道128号線に入り海岸線をさらに北上、安房鴨川を経て勝浦を目指す。 「勝浦ビッグひな祭り」をご存知だろうか? 2月末から3月3日にかけて、町のそこかしこに2万体を超える雛人形が飾られ、華やいだ雰囲気が醸し出される。圧巻は遠見岬神社の60段の石段に並べられた1200体もの雛人形、遠めに見ると斜面に時ならぬ花が咲き誇っているように見える。

 勝浦は千葉県下の名だたる漁港。地場のさかなはもちろん、さまざまな魚介を味わうことができる町。地場の味は「さかな処・さわ」(電話:0470-73-7171)がお薦めだ。丁寧な仕事と京懐石に通じる奥行きの深い味が評判。

 勝浦から尾張一宮までは128号線を走り、九十九里波乗り道路、九十九里ビーチラインを乗り継ぎ、波打ち際を走るかのように銚子を目指す。冬の夕暮れは早く、午後4時を回るといっきに闇が迫ってくる。夕陽が沈もうかという頃、銚子の手前「飯岡漁港」に辿り着く。刑部岬から太平洋に沈む夕陽が絶景。夕陽を見送って、銚子の町に入っていく。日中ならば、日本一と謳われる「犬吠崎灯台」(電話:0479-22-0244)から、雄大な太平洋水平線を眺めてみたい。

 銚子漁港は遠洋漁業の水揚げ港としても有名。市場周辺には鰯、秋刀魚、鰹など地場遠洋含めてサカナの旨い店が軒を連ねるところ。港町の礁〔いくり〕(電話:0479-24-8211)がお薦め。刺身はもちろん、煮魚がバカウマ、アラ汁も天下一品。一方で醤油の産地でもあり、イワシ、カツオなどサカナと醤油が出会った角煮など名産も数多い。時間にゆとりがあれば「ヤマサ醤油」(電話:0479-22-9809)の工場見学も楽しみたい。

 国道124号線銚子大橋で利根川を渡り、茨城県波崎町に入り、鹿嶋市で51号線に合流、鹿嶋サッカースタジアムを左手に見て、尚も海沿いを走り続ける。目指す大洗まではあと30km、時間にして50分程度の道のりだ。大洗を目指した理由はまたしても旨い食事をしたい一心、大洗海岸の「浜の納屋」(電話:029-267-4277)に到着する。ここの料理はビックリの連続、中でも『ジャンボかき揚』は半端じゃない大きさ、通常のかき揚の4〜5倍の大きさにまずビックリ。続くみそ汁もジャンボ、イワシのつみれ汁は絶品。釜飯、はまぐりの茶碗蒸しも旨い。

「浜の納屋」のビックリメニュー。その大きさは半端じゃなく、通常のかき揚の4〜5倍はある。3〜4人で食べてもあまるほど。それでいて、カラッと揚がっている絶妙な板さんの腕前に脱帽!!

九十九里産の大ハマグリを蒸し焼きで供する。貝汁まで、たっぷりと味わうことができる。

なんと、大ハマグリがまんま入ったジャンボ茶碗蒸し。ハマグリの絶妙な歯ごたえがクセになりそう。


大洗の食事処「浜の納屋」のお薦め料理。新鮮なしらすをふんだんに入れて炊き込んだ磯の香いっぱいの釜飯。


鮟鱇のから揚げ。大洗近辺はアンコウの名産地。鍋も良いがから揚げも絶品。美人に必須のコラーゲンがいっぱい。

 

大洗パークホテルはプレミアムな気分のリゾートホテル。潮騒を聞きながら寛ぐ。

 宿泊は「大洗パークホテル」(電話:029-267-2171)、大洗海岸沿いの立地は浜辺から潮騒が聞こえる。さまざまに料金設定があるが、隣接のアクアワールド(大洗水族館)のチケットと一泊朝食つきパックがお薦め。3人ならば、¥8000/1人からOK。

 朝はあの徳川光圀が中興した大洗磯前神社へ詣で、旅の安全を祈ってから出発、社殿の前に開ける太平洋の眺めは秀逸。隣接する大洗海洋博物館(電話:029-266-1444)も見るべきものがある

「アクアワールド 大洗水族館」(電話:029-267-5151)の人気プログラムは「イルカ・アシカ オーシャンライブ」、大水槽の眺めも圧巻、2〜3時間を費やしても飽きない。

アクアワールド(大洗水族館)最大の呼び物はイルカ・あしかオーシャンライブ。潮っかぶりの席で見るイルカの超ジャンプは必見!


大洗海岸の東端に位置する「アクアワールド(大洗水族館)」。工夫を凝らした展示が人気を呼び、県外からも多くの人々が集まる

 大洗を後に海門橋を渡ってひたちなか市那珂湊港に向かう。那珂湊港に設けられた市場は茨城の新しい観光スポット。新鮮な魚介が格安で入手できるばかりでなく、隣接して設えられた、いくつもの食事処は終日賑わっている。「市場寿司」(電話:029-263-1137)は地場のサカナをネタの回転寿司。伊勢海老の握り、白魚の軍艦巻き、アジ、イワシが絶品。

那珂湊市場に隣接する食事どころのひとつ「市場寿司」。新鮮なネタの回転すしが格安で楽しめる。

店内は常に満員、開店直後が狙い目。人気のネタは即完売の可能性もアリ。

珍しく、かつ贅沢な地場の伊勢海老を握りに。これも格安・大絶品!!

近海の白魚を軍艦巻きで供する。絶品!!

   

 

 那珂湊から阿字ヶ浦を回り、245号線を東海から日立を目指す。途中、東海村は原子力研究のメッカ、「独立行政法人日本原子力研究開発機構 東海展示館アトムワールド」(電話;029-282-2256)、「原子力科学館」(電話:029-282-3111)、「げんでん東海テラパーク」(電話:029-287-1252)などの見学施設が設けられている。これらを見ることで、原子力についての理解を深めることができ、家族連れには見逃せないスポット。

 日立市を抜け、国道6号線に入ると最終目的地「鵜の岬」は目と鼻の先。全国各地で行われる鵜飼いの鵜は、ここ茨城県日立市十王町伊師浜の鵜の岬で捕獲された「海鵜」が訓練されている。普段はその捕獲場「鳥屋(とや)」を見ることはできないが、年に数回公開されている。 詳しくは「国民宿舎 鵜の岬」(電話:0294-39-2202)に問い合わせを。「国民宿舎 鵜の岬」は全国の国民宿舎ナンバーワンの利用率を15年連続で獲得し、昨年の利用率は97.7%と2位を10%以上も離してナンバーワンを維持している。また、伊師浜はアカウミガメの産卵北限としても知られている。
 鵜の岬からは日立北インターチェンジから常磐道を利用しての帰途が便利。都心まで150kmほどの距離だ。

 

茨城県の伊師浜はアカウミガメの産卵北限。果てしなく続く白い砂浜を鵜が飛び交っていた。

 

 

 

 

 

 

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 ■プジョー 207 Cieloの猫アシに魅了され続けた720キロの旅 ■個性豊かなバリエ−ション展開と高い基本性能が魅力です!!