百年に一度と言われる想像を絶する激変期。答えはまだ見えない
〜J.D. POWER AUTO SUMMIT

神谷 龍彦

 Mobility Disruptors──あまり馴染みのない言葉かもしれないが、翻訳すればモビリティ化の破壊的イノーベーションということになるらしい。つまり、クルマにもこれまでの概念ではとらえきれない変革が訪れる、いやすでに訪れつつあるということだ。自動運転しかり、EVしかり、カーシェアリングしかり……だ。所有から利用へ。その講演とパネル・ディカッションが顧客満足度調査で知られるJ.D.パワーの主催で行われた。
 講師は世界各国を股にかけて活躍する桃田健史氏。米国を中心に自身でレースにも参加する。「ボーっと生きてんじゃねえよ!」とぼくがチコちゃんに叱られてる間にいっぱしのジャーナリストになった。

CaaSから MaaSへの時代です

 「モーターショーは終わった。VWはモーターショーへの参加を控えラスベガスで開かれるCES(Consumer Electronics Show)を選んだ」
 「MaaS(Mobility as a Service)=公共交通の再編の時代だ.」
 「CaaS(Car as a Service)=自動車流通革命はすでに来ている」
 MaaSとCaaSには少々説明が必要だろう。
 MaaSでは、クルマが所有物ではなく基本的には移動サービス(利用)になり、公共交通手段が再編される。おそらく街そのものも変わるだろう。スマホで予約すれば、タクシー、バスや鉄道、飛行機など複数の交通機をシームレスに乗り継いで、決算もできる。ポイント・ツウ・ポイントの移動可能だ。
 都市の渋滞が解消し事故が減り、地方での交通手段が維持でき、必要な駐車場スペースもグンと減る。こうなると自動車の製造と販売は分離する。当然、自動運転やAIなどの技術は必要不可欠だ。
 この前段階がCaaSだ。所有から賃借(リース)に軸足が置かれカーシェリングもできるが、ライフスタイルに合わせてとまではゆかない。
「トヨタは40車種から30車種に絞る。東京の4社は消滅する」
「昔の若者が支えてきた約60年のブームは終焉する」
「高速道路での自動運転・レベル3は2020年頃までに実現する」
 とまあ、桃田氏らしい外連味のない講演のあと、彼も含めて、J.D.パワーの執行役員・木本 卓氏、NTTドコモのビジネス部長・谷 直樹氏、経産省参事官・小林 大和氏らによるパネル・ディスカッションが行われた。ここでも多くの注目すべき話が出たが、大雑把に言うとまだ決定的なことは誰にも言えないようだ。かといって現状を手をこまねいて見ていられるほど日本には余裕はない。桃田氏の講演のように事態は急を要する。百年に一度の転換期はさほど乗り切るのが難しい。
 さらに、懇親会という名のJ.D.POWER Automotive Awards 2018の発表会が開催された。ここではリテール関連調査と商品関連調査のメーカーの表彰があった。でも、ちょっと数が多すぎたきらいも……。
報告:神谷龍彦

先は見えたのか、見えないのか? 各界の著名人によるパネル・ディスカッション。

熱弁をふるう桃田氏。世界を飛び回り、独自のルートから得た情報は一味違う。

懇親会はこんな感じ。知らぬ同士が和気藹藹。名刺交換の場としては願ってもない。

これだけの賞がある(一部欠席メーカーもあり)。RJCの懇親会の参考になるかも。


最終更新日:2018/11/22