日産 コラボ リーフ

「NISSAN&CHAYAパックLEAF」である

こういう環境で見ると格好いい。日影茶屋は17世紀から、パティスリーは1972年から。

クルマも衣装次第で印象がかわる。ヨットハーバー自体が非日常的だからよくマッチする。

ルーフもぬかりなし。ただ、フロントグリルのエンブレムは新しくなる。(なっている?)


リーフ e+は62Kwh(150馬力)320Nm。プロパイロットのスイッチがない。未装着!

確かに「ゼロエミッション」がウリ、ヨーロッパと中国を始めとしてEVの時代ではある。

パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ葉山本店。この木がリーフのもとの鈴懸だと思う。


※画像クリックで拡大表示します。

 「リーフのコラボカーに乗りませんか?」
 珍しく日産からお誘いのメールが来た。各メーカー、このところ何かと異業種とのコラボレーションが多い。これもそのひとつだ。同じ神奈川県で誕生した企業つながりだろうと最初は思っていた。
 それはそれで正しいのだが、もうひとつワケがあった。起源は江戸時代にさかのぼる現在の和食レストラン日影茶屋グループの洋菓子店「パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ葉山本店」(神奈川県三浦郡葉山町堀内20-1 ☎046-875-5346)に葉山リーフという名の看板商品パイがある。名前は同店前に植えられているシンボルツリー・鈴懸の葉に由来するらしい。このパイなどを組み合わせた商品「NISSAN&CHAYAバック LEAF」(1080円)の発売を記念してのイベントのようだ。もちろんこのほかにも同店のケーキは多士済々、通販希望者は☎0120-75-0014へ。

こりゃあ派手すぎないか、最初は一歩引いた

 クルマはリーフe+。日産本社地下の駐車場でそのモデルは不釣り合いなほどの輝きを放っていた。爽やかな葉山の夏の海をイメージしたという、ブルーとホワイトのストライプを全身にまとう。両サイドとボンネットにはパティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤのデザインマーク。ともかく派手だ。
 「う〜ん、派手ですね」。クルマの外装をカモフラージュする際に使うパターンを組み合わせたようなデザインである。
 「いや、乗ってしまえばわかりませんよ。葉山から鎌倉の明月院(アジサイ寺)なんか行かれるのはいかがでしょうか」と、担当者。
 はたして町中に出ると少なくない視線が突き刺さってくる。
 ただ、この試乗車、それ以外に一つ問題があった。6月中旬にフロントの日産マークが他の日産車のように新しくなるのだ。
 「機能的な変更はありませんよねえ?」
 「ないと思いますよ」。まあ、問題というほどではないか。

葉山ヨットハーバーで俄然存在感を放つ

 さてどこへ行こうか? と、カメラマンが予想外の発言。知り合いのヨットのグループ所有者に連絡して葉山ヨットハーバーの駐車場に入れる手配してくれていたのだ。前回来たときはカギが掛かっていた。撮影場所を探すのも実は結構大変で、最初から場所が決まっていると助かる。お勧めの明月院はやめた。
 美しい造形のヨットと天を衝くマストが並ぶ。こういう環境ではこのコラボレートカーの派手なエクステリアデザインが俄然存在感を輝かせ始めた。まるで爽やかな風に促されたように。逆に少し誇らしくもあった。意外!
 リーフe+は基本的には変わらない。低重心レイアウト+高剛性ボディ通常走行では全く問題ない。モーターだからとくに初期加速が速い。ブレーキペダルの戻し方で止まるまでのブレーキングができる「e-ペダル」は慣れるまで多少時間がかかるかもしれないが、慣れればとっても便利だ。ブレーキを踏み続けていなくても停止状態を保持する。前後勾配30%まで姿勢を保持してくれる機能も乗りやすさをサポートしてくれる。
 ただ、乗り心地は少し硬い印象を受けた。さらに、当然ついていると思っていた運転サポートシステム「プロパイロット」がなかったのは残念だった。コラボレーションモデルにベースグレードを選んだせいだろう。このリーフは市販される予定はなく、パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤの営業車として使われる予定だという。公道で会う機会は少ない。見かけたら幸運が訪れるという伝説ができる、そんなワケないか。結果的に楽しい試乗だった。
報告:神谷龍彦
写真:佐久間 健

最終更新:2021/06/14