ダイハツミラココア

あたたかさと扱いやすさで女性を魅了する実用軽

小早川 隆治



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 去る8月、ダイハツがミラココアを導入したが、広範囲な条件での試乗評価を行った結果、実用性が高く、今後の育成次第では軽自動車のメジャーなカテゴリーの一つになっても不思議でないモデルだと確信した。ミラココアを見た知り合いの女性の口から最初に出てきた言葉は「かわいい」だったが、それはミラココアの女性比率80%をいみじくも裏付けるものだ。ムーヴやタントとは異なり、立体駐車場もOKだが、室内は前席で何ら不足を感じない上に、コンパクトカーが真っ青になるほどの後席居住性を備ええいる。後席のうしろのスペースは広くはないが、トノーカバーまでついており、かさばる荷物の積載はリアシートバックが左右独立して倒せるので心配ない。また前後ドアが90度近く開くのも乗り降りに便利だ。国内で初めての採用された、ギヤをバックに入れると、自動的に車両後方の画面がルームミラーの左側に表示されるバックモニター内臓のルームミラーも、バックで駐車することが日常茶飯事の日本では実用性の高い装備で、カップホルダーや各種の小物入れなど、日常の使い勝手に対するきめ細かい配慮には脱帽する。

 エンジンは自然吸気のみで、トランスミッションはGとXはCVT、一番下のLグレードは4ATだ。今回評価したのはGだが、市街地、高速を含めて全く不満のない走りを示してくれた。実測燃費は16.1km/Lと、これまで計測してきた自然吸気エンジン搭載の軽自動車の平均値を若干上回る数値となった。評価コースは「車評」シリーズの出版にあたり設定した商品性、並びに燃費を評価するコースで、高速、市街地を含む合計約175kmを走行して、完全満タン法で計測するもので、これまでの100台近い評価ではいずれもe燃費に非常に近いデーターが得られている。ステアリング・ハンドリングは、大半の女性ユーザーが日常の使用で不満に感じるレベルではないが、もう一歩正確性に欠け、振動、乗り心地も路面の凹凸を意外に拾い、振動がテアリングホイールに伝達されるのが残念だ。CVTのノイズもやや気になった。

 総じてミラココアは、室内居住性、使い勝手、走り、経済性など日常の用途には全く不足のないクルマに仕上がっており、ムーヴやタントなどよりは使い勝手が良いと感じるユーザーは少なくないはずだ。一方で2020年までに1990年比25%の温室効果ガス削減という挑戦的な目標達成のためには、日本のクルマ社会の在り方を根本的に見直すことも必須であり、軽自動車の果たす役割が一段と拡大すると思う。ミラココアのようなモデルの内外装のデザインの更なるリファイン、走りの質の向上、実用燃費の改善などが行われれば、大都市における拡販、男性市場や若者市場の拡大、普通車からのダウンサイジングの促進などに貢献することは間違いなく、継続した改善努力を大いに期待したい。

(写真:堤長則)

<小早川 隆治> 最終更新: