第16回(2007年次)RJC カー オブ ザ イヤー

 

波瀾万丈!?「激動」と「逆転」の2日間

毎年恒例となった「RJCカーオブザイヤー・テストデー」。今年もまた快晴に恵まれたツインリンクもてぎを舞台に開催された。初日のブリーフィング&前夜祭に始まって、翌日のテスト試乗と最終投票・開票までの約26時間。メーカー&インポーター各社のスタッフは、RJC会員たちに対して強烈な”宣伝合戦”を展開する。

 

国産車選考経緯&最終結果

三菱復活への序章! i(アイ)が国産イヤー賞を獲得!!

i、カローラ、SX4、MPVの四つ巴の展開で序盤スタート。中盤に本命のiが抜け出し、これに伏兵(?)カローラと◎印SX4が肉迫。さらに後半になってカローラがiをとらえて僅差のリード、そのままゴールに飛び込むかに見えたのだが…。しかし、最終盤にとんでもないドラマが待っていた。残り2票となったところでiがカローラを逆転、その差僅か11点で2007 RJC カーオブザイヤーの栄冠はiの頭上に輝いた!!

 

輸入車選考経緯&最終結果

メルセデスE320CDIが シトロエンC6に僅差で競り勝つ!

このカテゴリーは奇しくもドイツ3車V.Sフランス3車の闘いとなった。ここで本命として絶対視されていたのはC6。期待通り(?)に序盤はC6が安定して得票を重ねて首位をキープ。が、中盤からE320CDIがじりじりと得票を伸ばし始め、やがてトップを奪取して◎印C6と○印パサートに対して僅差のリードを保ったまま終盤へ。C6も意地をみせてこれを追撃したのだが、僅か11点差で勝利の女神はE320CDIに微笑んだ。

 

テクノロジー部門 選考経緯&最終結果

メルセデスのクリーンディーゼルが圧勝!

"主役"と言われていたのは、メルセデスの最新鋭ディーゼル技術であった。序盤に飛び出したのは、予想通りコモンレールディーゼル。三菱iのリヤミッドシップレイアウト、ダイハツの3軸ギヤトレーンCVTの最新テクノロジーを尻目に得票を伸ばし、終わってみれば2位を150点も引き離す独走であった。この結果を、十把ひとからげでディーゼルを規制する、どこかの自治体首長に対するRJC会員たちの無言抵抗、と見るのは少々穿ち過ぎだろうか?

 

軽自動車部門 選考経緯&最終結果

品質向上著しい ダイハツ・ムーヴ/ムーヴカスタムに栄冠!!

どれが1位になっても不思議ではない混沌とした状況の中、開票はスタートした。序盤からiとムーヴの熾烈なバトルとなったが、中盤以降iが思いのほか苦戦を強いられたのに対して、ムーヴは順調に得票を伸ばしてそのままゴール。結果は72点の大差となって現れた。本賞への票の流れで、いささか損をした印象があるi。対してムーヴは居住空間のゆとりと最新技術を惜しげもなく投入した"企業努力"が功を奏した?!

 

パーソン・オブ・ザ・イヤー受賞者

 

津田 紘 スズキ株式会社 取締役社長 スズキ小型車戦略推進の立役者

 

プロフィール

  • スズキ株式会社取締役社長
  • 1945年(昭和20年)生まれ。北海道出身。
  • 北海道大学大学院工学研究科卒業。
  • 1969年3月 鈴木自動車工業株式会社入社※1990年10月鈴木株式会社に社名変更
  • 1997年4月 同社小型プロジェクト長
  • 1997年6月 同社取締役就任
  • 2000年6月 同社常務取締役就任
  • 2002年1月 同社専務取締役四輪技術本部長
  • 2003年4月 同社取締役社長就任 現在に至る。

2003年よりスズキ株式会社取締役社長として、「小さいクルマ、大きな未来」をテーマに技術分野一筋を歩む。これまでの軽自動車中心の開発から、軽自動車と小型車の開発組織を独立することで、コンパクトカー路線をいっそう強力に推進。スイフトをはじめとする魅力あるクルマを次々に開発し、市場に投入、成功させた。