日産新型リーフに試乗〜航続距離702kmを達成

日産のテストコース、グランドライブを走行する新型リーフ。キーンというあのモーター音が聞こえなくなり、路面をうまくいなす走りが印象に残った。プロトタイプで聞こえていた風切り音は、市販モデルでは解消される予定。

ルミナスターコイズ・ブラックの鮮やかなカラーを持つリーフの上級版B7Gグレード。クロスオーバースタイルのボディには、左右に「フ」の字型に配された6つの長方形で構成する小型ランプによる新型を象徴する顔つきや、リアの「?」と「三」(つまりニッサン)を組み合わせた世界初の3Dホログラム式LEDリアコンビネーションランプを採用した。

モーターとインバーター、減速機を一体化した3-in-1の高剛性ハウジングへとモジュール化した160kw(218PS)/355Nmを発生するEVパワートレーンを搭載した。バッテリー容量は78kWh。


インテリアは、MF-EVプラットフォーム採用によるフラットフロアが実現する広い足元空間や、横長フローティングデザインのインストルメントパネル、そのセンターに配されたフラットボタン式のシフトセレクター、12.3インチ大型デュアルディスプレイを採用。

ボタンでガラスの透明度が変わり、影になった部分にはLEAFの文字が映り出される、 日産初採用となる遮熱機能付き調光パノラミックガラスルーフ。

B7Gグレードのリアには、?三パターをあしらった3Dホログラム式コンビネーションランプを搭載し、薄く軽く仕上げながら滑らかな面を出すことで空力性能に貢献している。


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 BEVに対してだけでなく、日産という会社の状況もネガティブな“逆風”が吹く中で船出する3代目の新型リーフはどんなクルマなのだろう。今回の試乗会に供されたのは、日本仕様の「B7」モデル(他にバッテリーの小さい「B5」がある)で、グレードは高級版の「B7 G」と標準版の「B7 X」の2台だ。

新型リーフのスペックは

 2世代目まではハッチバックだったボディタイプは、今回の3代目からクロスオーバースタイルに変更された。一言で言うと、「ミニ アリア」。日本仕様のボディーサイズは全長4360mm、全幅1810mm、全高1550mm、ホイールベース2690mmで、前後オーバーハングを切り詰めることで先代より120mm短くなった。
 フロントは一文字のセンターLEDアクセントランプと、左右に「フ」の字型に配された6つの長方形で構成する小型ランプによる新型を象徴した顔つき、サイドは日産ブランド初となる電動格納式ドアハンドルと空力を意識したフラット形状の新型ホイール、リアには「?」と「三」(つまりニッサン)を組み合わせた世界初の3Dホログラム式LEDリアコンビネーションランプを採用して、一目で新型リーフであることを主張する。

 インテリアは、CMF-EVプラットフォーム採用によるフラットフロアが実現する広い足元空間や、横長フローティングデザインのインストルメントパネル、そのセンターに配されたフラットボタン式のシフトセレクター、12.3インチ大型デュアルディスプレイ、日産初採用となる遮熱機能付き調光パノラミックガラスルーフ(ボタンでガラスの透明度が変わり、影になった部分にはLEAFの文字が映り出される)、デジタル式のインテリジェントルームミラー、スマホで見ることができるドライブレコーダー、前席ヘッドレストにスピーカーを配したBoseパーソナルサラウンドシステムなどでまとめ上げられている。

パワートレーンは

 B7グレードが搭載するのは、最高出力160kW(218PS)、最大トルク355Nmを発生するYM52型モーターで、バッテリーの容量は78kW。駆動方式は2WDのみだ。主要3コンポーネントを一体化した3-in-1構造のEVパワートレインによってモーターの最大トルクは4%向上。車重1920kgで235/45R19タイヤを使用する「G」の一充電航続距離は685km、1880kg、215/55R18タイヤの「X」は700kmを超える一充電走行距離702kmを公称する。充電能力は最大150kWに対応でき、35分間でSOC10%から80%までリカバリーできる。

走りはいかに

 3代目が目指したという「スーっと滑らかで、気持ちの良い走り」は、Dボタンを押して走り出すとすぐにわかった。音振性能を高めた高剛性のEVハウジング(キーンというあのモーター音が聞こえなくなった)、ねじり剛性86%アップのボディ、応答性の高いマルチリンクサスペンションの採用、滑らかさと手応えを両立してチューニングしたラックアシスト式EPS(電動パワステ)などの相乗効果で、中低速域での無音で滑らかな走り、コース内の荒れた路面や繋ぎ目を再現した部分ではしっとりとした“いなし”を見せる足回り、コーナーで一発で決まる操舵量、そしてパドル(Gモデル)やD/Bボタン(Xモデル)、Dモード、さらに「e-Pedal」などさまざまな選択肢を切り替えてみることで、自分が思ったような走りを再現できるのが、さすが15年間という長きにわたってBEVを製造し続けてきた日産の、経験と実績を活かした最新モデルらしいところだと思った。
もう完璧、と思ったのも束の間。時速80km/hを過ぎるとAピラーのあたりから風切り音が発生しはじめて、結構気になる。ここは日産でも把握していて、レインガードの部分にわずかな隙間があるのが原因とのこと。市販モデルは当然改善される予定だ。

702km超えの秘密

 新型リーフ「B7」グレードが搭載するのは、モーターとインバーター、減速機を一体化した3-in-1の高剛性ハウジングへとモジュール化した160kw(218PS)/355Nmを発生するEVパワートレーンと、容量78kWhのバッテリー。この組み合わせで一充電走行可能距離(WLTCモード)を最大で702km(B7 X)まで伸ばすことに成功した。
 電費を大きく左右するのがボディの空気抵抗で、新型リーフではこれまで2世代にわたって採用してきたハッチバックボディから、滑らかな面を持つファストバックスタイルのクロスオーバーEVへと変えることで空力性能を磨き上げた。ボディサイドには同社初の格納式ドアハンドルを採用し、ホイールはブレーキの冷却性能とバランスをとりつつ設計したフラットデザインを採用。滑らかなラインを持つ屋根部分には低い全高1550mmをキープしながら快適な室内空間を実現する日産初の熱反射式調光パノラミックガラスルーフを採用して高さを抑え、リアには?三パターをあしらった3Dホログラム式コンビネーションランプを搭載し、薄く軽く仕上げながら滑らかな面を出すことで空力性能に貢献している。
 さらに空気を整流するため、車体下部のフラット化をさらに推し進めた。新型では通常の底面だけでなく、ジャッキポイントやサスペンションのリンク部までにもカバーを取り付けたのだ。これで下側の面積の95%以上が50mm以内の凹凸に収まり、より速く空気が流れるようになったという。その結果の空気抵抗はCd値0.26を達成している。
 さらに、新型リーフでは空調システム、バッテリー、パワートレインというクルマの熱冷システムを全て連結した統合熱マネジメントシステムを採用したという。いわば無駄のない“もったいない精神”のフル活用ともいうべきもので、具体的には、今までは捨てられていたモーターやバッテリーから発生する熱を空調に使ったり、コンプレッサーの代わりにラジエーターを使ってバッテリーを冷やしたり、というようなところだ。
 またナビと連動(Google搭載インフォテインメントシステム)し、ルート情報からバッテリーへの負荷を予測し、走行中に無駄に温めたり冷やしたりしない制御を行うことで最適なバッテリー温度に自動調整する「ナビリンクバッテリーコンディショニング」機能も効果があった。これによって1年を通してバッテリーの温度を適温に保つことができるので、暑い、寒いといった環境や、登り下り、市街地、高速道路などの走行状態に大きく左右されることなく、一定以上の航続距離がキープできるようになったのだという。

報告:石原 彰

最終更新:2025/11/05

 

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