第2回目となるAUTOMOBILE COUNCILが幕張メッセで8月4日から6日まで開かれた。このイベントの基本は旧車とノベルティなどの販売だが、それだけでなく内外メーカーのニューモデルも展示された。
今年は、アウディがRS 5 クーペの、ボルボがV90限定車の、そして日産がコンセプトカーVmotion 2.0(今年のデトロイトショー展示)の国内初お披露目の場にこの会場を選んだ。
アウディRS 5 クーペの日本導入自体は7月14日にアナウンスされたが実際の発売はこの秋。実車の展示はこのショーが初めてとなる。このモデル、新開発の2.9LV6ツインターボエンジンを搭載し、3.9秒の0-100km/h加速と11.5km/Lの燃費という高性能ぶり。その分お値段もとびきりで1200万円以上もする。
それはさておき、このイベントでアウディが注目させたかったのがクワトロシステム。この4WDシステムは1978年の新車開発中に軍用車からヒントを得たらしい。1980年に初代クワトロに装着し、翌年のモンテカルロラリーで優勝する。WRC23勝を手土産にグループBが中止になったあとはサーキットに戦場を求めた。 ブースには85年のスポーツクワトロ S1を中心に83年のスポーツクワトロ、86年のUr-クワトロも展示されていた。で、話は戻って、その正統後継車RS 5 クーペにご注目! という目論見だ。
ボルボはV90の特別仕様車をここで発表した(同日発売)。ベースはV90 T5モメンタム。その特別ぶりは、(1)クリスタルホワイトのボディカラー(2)マルーンブラウンの本革シート(フロント:ベンチレーション、電動バックレスト・サイドサポート、電動クッションエクステンション機能付き)(3)ダークフレームバーチウッドパネル(4)チルトアップ付き電動サンルーフ(5)18インチアルミホイール付きといった具合。この内装は品のいい人しか似あわない。
販売台数は90台。その理由はボルボの操業90周年を記念するモデルだからとのこと。値段は690万円。ボルボファンにとってはお買い得といえるだろう。また同社ブースには80年代に"空飛ぶレンガ"としてレース界をブイブイ言わせた240や90年代にワゴンブームをけん引した960も並べられた。
その後方には、旧ボルボ社のレストア専門につくられたボルボクラシックガレージが手掛けたニュー・旧ボルボがズラ〜と並べられていた。
日産はコンセプトカーを中央に展示していたが、個人的に関心を持ったのはその前に並んでいた旧車。1935年の14型ロードスター、スカイラインスポーツクーペ(1960年)、初代シルビア(1966年)だ。
これらは座間の倉庫(一般にも公開)などに300台近く保管してあるモデルを持ってきたもの。LEDの下で見る各車はじつに美しい。倉庫は隣のクルマとの間隔が狭いし暗い。何とか少しずつでも日産の旧モデルを見られるような機会を作ってもらえないものか。元気のあった日産車はカッコいいよ。
マツダはロータリーのコスモスポーツ試作車から1991年にル・マンで勝った787Bなどを展示しつつ、ロータリーエンジン・ヘリテージのプレゼンテーション。同時に初代ロードスターのレストアサービス開始の説明も行われた。
スバルはアイストップを中心に安全技術のプレゼンテーション。テントウ虫(スバル360)やスバル1000と新しいレヴォーグやWRX S4も並べられた。
トヨタはハイブリッドに関する解説。クルマとして興味をひかれたのはガスタービン・ハイブリッドのS800だ。モーターショー用に作られたモデルらしいが仕上がりは素晴らしかった。
イベント本来の目的である販売契約率はけっこういいらしい。2CVからSMまでシトロエンを並べたアウトニースのブースはとくに興味深かった。
URL:http://www.automobile-council.com
問合せ:03-6380-1012
報告:神谷龍彦
撮影:佐久間健
WRCで比類ない強さを誇ったアウディクワトロ。1986年以降は、ムートンやロールの手でパイクスピーク4連覇を達成。ツーリングカーレースでも大活躍。写真はスポーツクワトロS1(1986年モデル)
ボルボV90・90周年記念限定車。車内の高級感や特別装備付きで、プライスタッグは690万円。安い!
スカイラインスポーツクーペや初代シルビア、やっぱりこうした明るい照明の下でゆっくり見たい。
テントウ虫と呼ばれたスバル360。見かけは可愛いが、メカニズム的には新機軸満載。最先端だった。
軽量&コンパクト。ガスタービン・エンジンに目を付けて1969年にスタートしたモーターとのハイブリッド開発。1977年には東京モーターショーにS800を出展。出力は30馬力。1983年に開発中止。