AUTOMOBILE COUNCIL 2020

今年のテーマは「60年代ルマンカーの凄みと美しさ」

 4月から5月へ、さらに7月31日〜8月2日へと、今年で5回目となるAUTOMOBILE COUNCILの開催日は2度も変わった。その理由は、もちろん新型コロナである。まさに青天の霹靂だった。会場は千葉県の幕張メッセと不動だったが、プレス申請は再登録を要求された。コロナ禍のもとでの開催日選びは想像以上に大変だったと思う。まずはその努力と勇気に敬意を表しておきたい。
 このイベントのフィロソフィーは「CLASSIC MEETS MODERN」。と言っても単なる懐古趣味の産物ではない。自動車文化をきちっと残そうと、内外のクラシックカーだけでなく最新モデルやパーツやグッズも展示・販売する。
 そんな意識の高いイベントも新コロナにはかなわない。今年は1日(一般公開は7月31日から8月2日)の入場者数を3000人(初日)と5000人に絞った。アルコール消毒も極めて念入りに行っていた。
 AUTOMOBILE COUNCIL主催者の今年のテーマは「60年代ルマンカーの凄みと美しさ」。展示車両は2台。そのうちの「イソ・グリフォA3/C」は映画「フォードvsフェラーリ」でも注目を浴びた1台。元フェラーリのピッザリーニが仕上げたレーシングカーである。末尾の"C"はコンペティション、もしくはコルサの頭文字。
 一方、アルピーヌというとラリーのイメージが強いが、サーキットレースにも情熱を燃やしていた。1963年にアルピーヌを冠してルマンに登場したのがアルピーヌM63。エンジンは4気筒993ccで最高出力はたったの95馬力。それなのに最高速度は240km/hに達した。軽量と空力ボディの賜物だ。

 

MAZDA 100 YEARS HISTORY! マツダが頑張っていた

 

 海外メーカーではジャガー・ランドローバーとマクラーレンが2台づつ出展。国内メーカーは3社。トヨタとマツダとホンダだ。もっとも力が入っていたのは「100周年」をテーマにしたマツダだ。1938年のトラック、グリーンパネルをはじめとしてR360、ルーチェセダなど12台を出展。
 中でも注目されたのは今年の秋に国内デビューするという真っ赤なMX-30。これは作年の東京モーターショーで公開した電気自動車MX-30のマイルドハイブリッモデルであるe-SKYACTIV G。エンジンはガソリンの2リッター。ドアは観音開き。後ろのドアを閉めてから前を閉める。ステージの奥にはホワイト・ブラウン・ブラック3トーンの輸出仕様も並んでいた。
 トヨタはセリカを3台。その中ではリフトバック(1973年式)に興味を引かれた。また、同社は「トヨタGR HERITAGE PARTS」のコーナーも開設していた。現時点では対象車はトヨタ2000GT、スープラ(A70/A80)などに限られているが、復刻パーツの供給はユーザーにとってはありがたい。
 ホンダはF1マシン、RA300が中心。これは初優勝を飾ったRA273の後継モデル。イタリアGPで2勝目を挙げた。その時のドライバーはジョン・サーティーズである。市販車ではシビックのタイプR。
 入場者数を絞っているから当然だが、会場は三蜜とは程遠かった。なお、来場者の投票によって選ばれるカーオブザイヤーの栄冠はシンプルオートのBMW3200CS(1966年)が選ばれた。

報告:神谷龍彦
写真:佐久間 健

 

 

紆余曲折を経て新コロナに負けじと5年目に突入開催。後ろの2台が60年代ルマンカー。

アルピーヌはラリー専門にあらず。ルマンではリタイアしたが1か月後のニュルでは優勝。

R360クーペ(1960年)。マツダ初の乗用車がコレ。エンジンは4サイクルでATもあった。

マツダMX-3のマイルドハイブリッドが今秋国内に追加される。観音開きドアが特徴のひとつ。

パワートレインは2.0リッターガソリンが基本。スムーズさとトルクフルさがウリらしい。

ステージの奥に置かれていたMX-3の輸出モデル。当然左ハン。白、黒、茶の3トーンカラー。

スペシャルティカーとしてデビューしたセリカのリフトバック(1973年)も注目の1台。

ホンダR300。メキシコGPで勝ったRA273の後継車。イタリアGPで2勝目を飾った。

 

 

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