メーカーコンフィデンシャル
日産 九州工場見学
国内モデルの大半を製造。地の利にも優れる

 セレナなどを生産している同社の九州工場を見学した。
 北九州空港からほど近いこの工場は瀬戸内海に面した郡の埋め立て地に1975年に開設され、昨年40周年を迎えた。現在236万m2の敷地に第1と第2工場があり、このほかに日産車体の工場も併設されている。
 埠頭から専用船で完成車の搬出が直接でき、エンジン等の部品も搬入できる。韓国や中国にも近く、輸出にも利便性が良い地の利から選ばれた。近隣にトヨタやダイハツの工場もあり、部品供給の面でも発達している。これもこの地の強みになっている。
 当初は輸出用のダットサントラックの工場としてスタートしエンジン工場も備えたが、現在は4気筒エンジンは横浜工場で集中製造されていて船で搬送されてくる。
 九州工場で集中生産しているのは売れ筋のセレナとエクストレイル。2016年は67万台の生産計画である。
 セレナは発売されたばかりだが、1カ月で約2万台を受注し、フル生産中だ。年内に9万台の生産計画である。
 合理化のために部品はモジュール化され、AGVと称する無人電動ガイド搬送機でライン各部に供給される。また、ラインサイドでは並走する部品搬送システムで作業員の移動を最小限にして効率化を図っている。ペイントされた車体はドアを外されドアの組み立てラインで組み立てられ、その後最終ラインでボデ―に組み付けられる。
 一方、サスペンションやエンジン等の重量部品はアンダーフロアラインで組み付けられる。最後に商品化ラインで完成チェックを行い全車シャワーテストされて完成となる。
 新型セレナは自動運転技術「プロパイロット」が売り物だが、本来の車としての魅力を重視し内装の質感、セカンドシートに内蔵のシートベルト、利便性の高いダブルハッチドア、そして静粛性を向上させたフロア周り、また13色の車体色に加えて2トーン4色とぜいたくな設定等は、生産現場の対応があってこそ実現できたのである。

報告:松尾良彦
撮影:佐久間健

 

九州工場の生産の中心はセレナとエクストレイル。このほか、ティアナや輸出用ムラーノ、クロスオーバーSUVのローグも生産される。

 

エンジンやサスペンションなどはアンダーフロアライン。重い部品が併走、作業員の負担を減らす。女性の作業員が少ないのがちょっと気になった。

 

最後はこの商品化ラインでチェックを受け、全車シャワーテストを経る。第1工場はヒトの数が少ない。多くの部品は無人電動ガイド搬送機が供給する。