創業50年目 知る人ぞ知る「光岡」の知られざる日本一

宮内 正人

 「ビュート」「オロチ」といった量産メーカーと一味違うクルマ作りで存在感を示す光岡自動車は、2月で光岡進会長が個人創業して50年目を迎えます。そんな知る人ぞ知る光岡が日本一の実績を上げているのが霊柩車作り。
霊柩車のトレンドはワゴンや高級車を改造した洋式霊柩車が3割、バスベースのバス型、ミニバンベースのバン型、金箔の宗教的装飾を施した宮型霊柩車は700台が現存する程度です。
 霊柩車は日本全国では約6000台の登録、遺体を引き取る搬送車(寝台車)が約8000台というニッチなマーケット。法定速度による安全運転で大事に扱われるため、代替えサイクルは10年超なので、全国で年間500台から600台の市場です。霊柩車の製造会社は約10社程度で、卸販売だけの会社がプラス10社ほどです。
 「そのなかで、光岡自動車は全国で約1000台の納入実績があります。霊柩車と搬送車の割合はほぼ半々です。昨年から台湾でも販売を開始しました」と、光岡太進取締役(特販事業担当)は話す。
 1台1台がハンドメイド生産となる霊柩車作りには、乗用車(ファッションカー)製造で培った光岡自動車の職人による匠の技が生かされます。また、霊柩車は2年車検で、平均車齢が長くクルマで旧くなれば故障も増えます。その点、全国に販売拠点網があるのも、光岡が支持される理由です。
 光岡の霊柩車「おくりぐるま」のフラッグシップモデルである「ミツオカリムジンタイプ V(5人乗車)」はガリューをベースに1200mmセンターストレッチおよび 400mmオーバーハングストレッチ架装により、車両サイズを全長6560mm×全幅1830mm×全高1700mmに拡大。2100mm×800mm×550mmの棺台が収納可能になりました。車両本体価格は955万8000円(税込)から。「ヴェルファイアグランドリムジン(5人乗車)」はヴェルファイアをベースに全長を1400mm延長したバンタイプの洋型霊柩車で、車両寸法は全長6335mm×全幅1850mm×全高1930mm。室内空間を拡げることで、自由なレイアウトが可能となりました。車両本体価格は2.5Lの2WD/FF車が1026万円(税込)から。

フラッグシップ「ミツオカリムジンタイプ鶩」と光岡太進取締役

ヴェルファイアベースの「ヴェルファイアグランドリムジン」

コンパクトタイプの霊柩車「リューギセンターストレッチリムジン」


最終更新日:2017/01/11