ダイハツ トコット(2)
DAIHATSU TOCOT

スクエアボディに低いドアミラー。見切りはいい

このモデルは「クールスタイル」と呼ばれる仕様。標準車から8万9726円高い設定だ。

サイドビューも特段スタイリッシュというものではないが、イヤミのないデザインだ。

リヤもシンプルでスクエアを基調としている。丸いランプがアクセントになっている。


室内は、使い勝手にはこだわった。ドリンクホルダーがフロントでだけで3つある。

リヤハッチは樹脂製。女性の力でも上げやすいように配慮されている。これも女性の知恵?

奥から都会的なクール、パールホワイトで彩ったスイート、華やかな輝きを纏ったエレガント。


※画像クリックで拡大表示します。

 若い女性を意識したモデルというと、見た目だけ可愛くして機能的にはイマイチという時代があった。今回試乗した「ミラ トコット」もややもするとそんなクルマかという危惧があったが、良い方に裏切られたように思う。スタイリングは角を丸めながらもスクエアを基本として見切りの良さに配慮したのが伝わってくる。Aピラーの角度を立て、ドアミラーをドアパネルに装着したことで死角も少なくした。試乗前に商品概要の説明を受けたときには、「これくらいでは、そんなに違わないだろう……」とタカをくくっていたのだが、確かに見通しの良さを感じる。
 シートに座れば、シートリフターとチルトステアリングによって、適切な運転姿勢を取れる。ちょっと無理を強いられる軽自動車というよりは、普通に乗れるコンパクトカーという感じだ。インテリアもチープさは少ない。
 走り出すと3気筒NAエンジンということで、さすがに非力な感じがする。高速道路の合流などではアクセル全開になってしまう。また、回転を高めるとヒューンというおそらくCVTからの唸りが結構耳に入っているが気になった。ちなみに他の試乗車に乗り換えて確認してみると、そちらはもっと低回転から唸る印象。確認すると「個体差です」という回答だったが、この辺は改善が必要な部分だろう。ブレーキフィールは、踏力も適切で踏み込み程度に応じて効くという感じの好印象だった。
イースのネガティブ面をかなり消した
 電動パワーステアリングのアシストは低速時に大きくして操舵力を軽くしているということだったが、不自然に軽すぎることもない。ただ、中立域のステアリングの遊びの大きさがちょっと気になる。開発者に確認すると、「この部分は賛否があったのですが、あえて遊びを付けて過敏な動きを避けた」ということだが好みが分かれる部分だろう。ロック・ツー・ロックは4回転ということで、ダルなステアリングギヤ比だが、実際にワインディングなどを走ってしまえば、この部分は気にならない。むしろ軽量なボディが効いているのか、軽快で気持がいい感じさえする。
 サスペンションは今回前後ともスタビライザーが装着されていいない。その代わり、ショックアブソーバーに内蔵されたリバウンドスプリングが、ロールを抑える役割を果たしている。その効果という確証はないが、確かにロールが過大となることなく、切り返しでもひらりひらりと走れるのは気持よかった。
 乗り心地には、リヤのサスペンションのトーションビームの取付部のブッシュを前後方向に柔らかくしたことが効いている。これだと走行中に段差などの入力が入ると、リヤサスが後ろに逃げる方向に動き、ショックをいなす方向になる。ちなみに、サスペンションの設定も女性エンジニアの手によるものということで、これも新鮮な感じがした。
 もうひとつ特筆するならば、全グレードにSRSサイドエアバック&SRSカーテンエアバックを標準装備したことが挙られるだろう。スマートアシストIIIなどの衝突回避支援システムも重要だが、乗員を守るということで、この設定は非常に頼もしい。ベーシックグレードは107万4600円だから、かなり割安感もある。
 以前、ミライースに乗った時は、安普請という感想をもったが、このトコットに関しては、ひとつひとつのネガティブを消して、かなりいいところまでもってきたというのが、試乗を終えての印象だった。

報告:飯嶋洋治
写真:佐久間健/飯嶋洋治

<飯嶋 洋治> 最終更新:2018/08/01