BMW X2 xDrive20i M Sport X

むしろスポーティセダンといった印象

堅めのサスペンション(Mスポーツ・サスペンション)だが、妙な突き上げはない。巧妙だ。

後方を持ち上げたベルトライン。スタイル的なまとまりはいいが、視界面では疑問も残る。

キドニーグリルのデザインが変更され下部が広がったヘキサゴンに。全高は1535个板磴ぁ


水平ラインを強調したリア。CピラーにBMWマークを装着。最小回転半径は5.1mと短い。

これまでどおり少しドライバーの方を向いたダッシュボード。ナビの位置も見やすい。

エンジンは1.5ℓ3気筒(140ps)と2.0ℓ4気筒(192ps)。試乗車は2.0だった。


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 BMWのシリーズは、数字と記号で表しているので分かりやすい。数字は1から8まで大きいほど車格や排気量が上がる。奇数がセダンタイプ、偶数がクーペやカブリオレタイプなどだ。記号はZがロードスター、iが電気自動車、Xが4輪駆動のSUVだ。一般的にスポーツ・ユーティリティ・ビークルと称されるが、BMWではSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と表現している。
 BMW X2は、この分類には当てはまらない印象を受けた。車高が高いオフロード車というイメージはではなく、街中で乗りやすい5ドアハッチバック・クーペのようだ。人気があり販売を急速に伸ばしているSUV市場に、オフロード走行とユーザーの創造性を駆り立てる都会的な存在感を併せ持つ全く新しいコンセプトのモデルとして一石を投じた。
 BMWではこう言う。「あなたは、何を信じ、だれに従う?転ばぬように舗装された道か。個性を包み隠す、おそろいの服か。常識を壊そう。新しい自分が、そこから始まる。UNFOLLOW」。X偶数シリーズはBMWの常識を壊し、シリーズの呼称をSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)に変え、新ジャンルを開拓している。
 全高はX1の1600mm、X3の1675mmと比べると1535mmとかなり低く、一般的な機械式駐車場にも収まるボディ・サイズだ。最低地上高もX3の205mmに対し180mmに抑えられている。全幅は1800mm以上が主流のSUVの中で1825mmに抑え、全長4375mm、ホイールベース2670mmとコンパクトにすることで、最小回転半径をセダンの1シリーズと同じ5.1mとして街中での扱いやすさを実現している。ちなみにX1は5.4m、X3は5.7m。
 タイヤサイズは225/45R19で扁平率は45とかなり低い(薄い)部類だ。多くのSUVはオフロード走行を前提にしているので扁平率は50以上に設定いる。試乗したのがX2の中でもスポーティな「xDrive20i M Sport X」で、装着タイヤはオプションの225/40R20。20インチで扁平率40なので、やはりスポーツ・アクティビティ・クーペという走りに振った設定だ。

好感の持てる堅さ。突き上げ感なし
 サスペンションは、Mスポーツ・サスペンションという堅めのスプリングとダンパーが採用されていた。乗り心地はBMWらしく路面状況がシートから感じられ、堅めの感じは好感が持てる。人によっては好みが分かれるところだ。シフトレバーの横には走行特性を調整するドライビング・パフォーマンス・コントロール・スイッチがある。標準モードのCOMFORTでも乗り味は堅く、SPORTモードにすればエンジン出力を最大限にコントロールして、ロード・ホールディングもさらに高まる。道路の凹凸を素早く滑らかに吸収して、突き上げ感のない堅さだ。燃料消費効率を重視したECO・PROモードもある。
 ほかにも特徴の一つにインテリジェント4輪駆動システム「xDrive」がある。ステアリングの角度やホイールの回転速度などの車両データから、オーバーステアやアンダーステアなどの兆候を察知し、瞬時に前後アクスルへの駆動トルクを可変配分することで、高い安定走行を実現するという。搭載されたエンジンは、排気量1998cc、直列4気筒ターボ、最高出力192PS(141kW)/5000rpm、最大トルク280Nm/1350-4600rpmで必要かつ十分にスポーティに楽しめるスペックだ。ただ、試乗したのが都内の湾岸沿いで、比較的に空いた3車線道路。xDriveシステムを感じられるワインディングといったタイトなコーナーを走ることができなかったが、SUVというよりスポーティなセダンの感覚は十分に感じられた。
 気になったのは、ブレーキのタッチ。試乗車の個体差もあるが、走行距離も少なくローターとパッドの当たりがついていなのか市街地での低速時でガツンと効き、もう少し滑らかなタッチが好みだ。
 スタイルは、ボディ後方まで窓の下部がせり立つラインを取り入れ、シャープで挑戦的なデザイン。ただ、このデザインのためテールゲートのガラス面積が極端に狭くなり、室内ミラーによる後方確認がしづらいのは致し方ないところか。
 試乗では確認できなかったが、衝突回避・被害軽減ブレーキを含む安全機能・運転支援システムのドライビング・アシストも注目したい。標準装備するメーカーも増えてはいるが、日常走行域での急停止や飛び出しなどを瞬時に判断し警告する。オプションとなるがACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)を装備すれば、高速走行時や渋滞時に前方の車両との車間距離を維持しながら自動で加減速を行い、低速走行時には車両停止までサポートしてくれる。オーナーになるなら、これは装着したいところだ。

報告:怒谷彰久
写真:佐久間健

<怒谷 彰久> 最終更新:2018/10/23