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新型CR-Vは全長4605?とコンパクトなボディながら3列シートを実現した(2列シート仕様もある))。サードシートを倒せば1830?と大人が寝そべることができる長大なフラットラゲージスペースも出現する。ただし、今回の試乗車であるハイブリッドモデルには、リヤにコンパクトながら高出力密度のリチウムイオンバッテリーを搭載しているためサードシートはない。
エンジンは1.5リッター直噴ターボ(190ps)と2.0リッターのアトキンソンサイクル・ハイブリッド。試乗車は、V-TEC(可変バルブタイミング&リフト機構)にVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)を組み合わせている。エンジン単体の出力は145ps、モーター単体の出力は184㎰、最大トルクはエンジンが175Nmモーターが315Nm。合計すると最大出力329ps、最大トルク490Nm。ヘタなスポーツカー並み、いや、それ以上のスペックを誇っていると言っていい。
実際、走りは軽快だ。アクセルを全開にすればかなりの加速感を味わうことができた。このハイブリッドCR-Vのウリはそれだけではない。走行用モーターのほかに充電用モーターも装備している点だ。走行モードはモーターのみで走行するEVドライブモード、エンジンで発電用モーターを回して発電しながらモーターのみで走行するハイブリッドドライブモード、そしてエンジンのみで駆動するエンジンドライブモードを、クルマ側が常に最適なモードを選択して使用してくれることで、高効率な走行を実現している。メーカー技術者の説明によれば、一般的な市街地走行ではハイブリッドドライブモードを選択することが多いそうだ。
また、駆動方式はFFと4WDがラインナップされた。今回試乗したのは4WDモデルで、リヤデフへはトランスファを介してプロペラシャフトで駆動力を伝える方式だが、リヤデフの入力側に油圧コントロールで作動する湿式多板クラッチを設け、前後のトルク配分をコントロールしている。アクセル開度やハンドル切り角、タイヤの滑り具合をリアルタイムで演算して制御しているが、リヤ側への駆動配分は最大で45%となっている。
サスペンションはフロントがストラット、リヤがマルチリンク式だが、主要なサスペンションアームのボディ側取り付け部のブッシュには、荷重のかかり具合でブッシュ内を液体が移動し、振動を低減する液封コンプライアンスブッシュを採用。実際のハンドリングも、乗る前はヤワなステアフィールを覚悟していたのだが、実際にはステアリングに忠実で乗り心地も悪くない。
室内装備では、シフトレバーを排除し、最初はどう操作するのか戸惑ったが、ボタン式のセレクターが採用されている。P、R、Dなどの切り替えはそれぞれのボタンを押すことで使用する。その意味では斬新さはある。個人的にはかなり高感度の高いクルマだった。
報告:若槻幸次郎
写真:佐久間健