JAIA試乗会(2)
フォルクスワーゲン アルテオン TIS 4モーション エレガンス
VW Arteon TSI 4MOTION Elegance

おっと、これがフォルクスワーゲンか?

R-LINEと同じ仕様だが、乗り心地もハンドリングも粗々しさとは無縁。速さもまずまずだ。

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クオーターピラーが独特。リアをグッと落としたクーペスタイルだが後席の居住性は上々だ。


広大な開口部を持つ5ドアハッチバック。ラゲッジスペースは563ℓから1557ℓまで変化する。

R-LINEに比べるとハンドルやウッドパネルが優しい。価格はアドバンスと同じ。599万円。

エンジンは2ℓ直4ターボ。1700〜5600rpmまで350Nmを維持する最大トルクが凄い。


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 ゴルフやポロといった働き者のビジネスマンを揃えていたVWが、2017年にちょっと異質なニューフェイスをデビューさせた。アルテオンだ。横基調のグリルはパサートから始まったものだが、アルテオンは横ラインをさらにヘッドライトにまで延長させた。ここまでやるのは珍しい。VWの新しいフラッグシップの顔である。
 もちろんパサートとは違う。パサートより80伉垢45亶い(アルテオンは4865×1875弌法CCの後継車と見る向きもあるようだけどそれも違う。超高級車「フェートン」はこの際、別としよう。CCとフェートンはすでに生産中止になっていることだし……。
 アルテオンは平社員ではない。社長とはいかないがけっこうエライ。これはもはやぼくたちが馴染んできたフォルクスワーゲンではない。上をアウディに抑えられミッドサイズ以下で健闘してきたVWのプレミアムカーへの挑戦なのだ。アウディでいうとA5、BMWだと4シリーズあたりか。

変わったのはデザインだけだが、これって重要だ
 このアルテオンに、昨年秋、エレガンスというグレードが加わった。と言っても新しいのはデザインだ。ハード面ではほとんど変更はない。これまでアルテオンには2グレードあったがともにR-LINEというスポーツ色の強いモデルだった。アルテオン自体の売れ行きは悪くなかった。ただ、もう少しソフトな印象のモデルをという声もあったらしい。
エクステリアではフロントバンパーが少し大人しくなって、ドアミラーやホイールがシルバーになった。インテリアではアルミパネルの一部がウッドになり、ナッパレザーシートの色もブラック、グレー、ブラウンが選べるようになった。
 たかが化粧直しとナメちゃいけない。スキージャンプの高梨沙羅選手だってメイクで随分キレイになったじゃないか。印象の変化がセールスに大きく反映することもある。(その高梨、今シーズンやっと一勝した。ほっ)。
 エンジンもR-LINEと同じだ。2ℓ直4ターボで最高出力は206kW(280ps)。車両重量は1700kg。少しパワー不足かなと思ったが、1700〜5600rpmという広い範囲で発生する350Nmの太いトルクのおかげで力不足は感じさせない。
 駆動方式はハルデックス・カップリング式4WD。車輪速度、アクセル開度や操舵角などによって前後のトルク配分を100:0から50:50まで変える。トランスミッションは7速DSG。超低速での扱いにくさが微妙に改善されていた。
 エレガンスになっての変更は別として、アルテオン、そもそもデザインがいい。エッジのキレもVW車の中でトップだろう。クーペスタイルで5ドアハッチバックというのもユニークだ。リアハッチがガバッと開くから荷物が入れやすい。ゴルフバッグなら3個はOKだという。ムベなるかな。ちなみにラゲッジ容量は563ℓから1557ℓ(リアシートを倒した場合)。

外観どおりの大人のスポーティ“セダン”
プラットフォームはフロント横置きエンジン用のMQB。4モーション、つまり4WDだが、基本はフロント:リアが100:0のFFである。ドアが大きいからリアへの乗り込みラクだ。ただ、外から見るよりも後席は実際には頭上も足元もかなり広いが、4WDゆえにセンタートンネルが走っているのはいたしないところだ。
 インテリアの印象も変わった。一部スイッチにゴルフの影が見えなくもないが、部長のあなたが乗っても少しもおかしくない質感だ。
 走りもいい。皺鹽召任眄鼎だし、振動も少ない。パサートで突き抜けたポジションをさらに進めた。乗り心地も程良い。試乗車のタイヤは245/35R20。この偏平率でこの快適性は立派だ。舵角が大きくなればなるほどタイヤの切れ角も大きくなるプログレッシブステアリングも自然だ。しかも低速時の操舵は軽い。
 外観は無国籍だが十分個性的だ。走りもユーティリティもトップクラス。しかもライバル車よりも安い。いいことばかりのようだが、昔ドイツで行われたパサートの試乗会で「広さならどこにも負けません!」と誇らしげに目を輝かせていた現地エンジニアのことを思い出した。素材は間違いなく優れている。あとはイメージだ。
報告:神谷龍彦
写真:佐久間健

<神谷 龍彦> 最終更新:2019/02/21