トヨタ クラウン

2.5L でも充分じゃないっ!!



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 大磯の試乗会では過激なテスト走行はもちろんしていないが、先代のゼロクラウンでは雑誌の企画で多少ハードな走りも試みたことがある。感動的だったのは中高速でコーナリングしながらABSが効くほどの急ブレーキを掛けても、ラインを外さずにキッチリ車速が落ちたことだった。今度の13代クラウンはさらにそれに磨きをかけたスタビリティーコントロールが付いているのだから、アクティブセイフティにも安心感がある。

 試乗したのは3.5Lのアスリート、3.0Lのロイヤル、そして2.5Lのロイヤルであったが、最後に乗った2.5Lに案外と好感を持った。雑誌などでは2.5Lの評価が低かったりするが、私としては「2.5Lで充分じゃない」という印象だ。西湘バイパスは進入のための助走区間が短いが、2.5Lでもその加速は鋭く、一気に本線の速度に合わせられる。操縦感という観点からは走行モードが選べるのがよい。通常の状態からエコモード、スポーツモードが選べるので(スノーモードもある)、道路情況やその時の気分で切り替えて運転するのも楽しい。スポーツモードならロイヤルでもそこそこキビキビ走るし、郊外でも町中でも走りに不足はない。燃費計やエコゾーン表示などはエコドライブにやりがいを感じさせるとともに、エコドライブテクニックの向上にもつながる。

 多車種を次々と乗り比べるような試乗会では、車種により操縦性というより「操縦感」に大きな違いを感じることがある。必ずしも良し悪しでなく好みの違いになるのだろうが、国産車の場合は総じて極端な操縦感を感じることは少ない。そういう意味からすると違和感のないフィーリングが大切だと思っている。その点、新型クラウンは全く違和感を感じさせない。アスリートかロイヤルかという選択の問題があるだろうが、それは個人的な志向の問題で、いずれも完成度の高さを感じる。クラウンは最も歴史の長い国産乗用車であり、正に熟成されたクルマといってよい。ただ、気になるのは地球環境を守るために生き方、暮らし方を根本的に見直すべき今、高級車であってもモデルチェンジに際してより全長(+30mm)、全幅(+15mm)、重量(+20kg)を増やすという従来どおりの方向で良いのか、という疑問符は付く。燃費、排ガス性能さえ向上させればよいというものではないと。

<飯塚 昭三> 最終更新:2010/04/23