フォルクスワーゲン ゴルフ

長距離移動なら1.5Lを選びたい

1.5Lターボのパワーは十分過ぎるほど。走りの質感という点でも素晴らしい。

ヘッドランプ周りのデザインが変わり、フロントは先進感のある印象になった。

リヤも直線基調だが、ラインを強調し精悍さを増している。


インパネ周りは整然。余計な加飾はなく機能性を重視。

シフトレバーは小さく、軽いタッチで操作できる。

シートは厚みもあり、座り心地も良好。効率的な室内パッケージはゴルフの伝統だ。


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 欧州での発表から約2年、日本にようやく上陸となった新型ゴルフ。まずは1Lの「eTSIアクティブ」と1.5Lの「eTSIスタイル」「eTSI Rライン」という3グレードが導入されたが、今回はその中の「eTSIスタイル」に試乗した。

新世代のデジタルインターフェースを搭載

 ボディサイズは全長4295×全幅1790×全高1475mmで、先代に比べ全長は30mm長くなったが全幅は10mm短くなり、ほぼ先代同様。スタイル全体も先代と大きく変わらないが、フロント周りのデザインは低くフラットになり、先進感を感じさせるデザインとなっている。

 一方、インテリアは一新され、印象を大きく変えている。運転席の前に大型のデジタルメータークラスターが位置し、センターの10インチの大型タッチスクリーンと横並びとなって様々な情報が確認しやすい。シフトレバーも小型のセレクター式になり、指先だけで操作が出来る。

 さらに、ナビを中心にした操作系も刷新。この新世代のデジタルインターフェースは、新型ゴルフの特徴の一つとなっている。ただ実際に操作して見ると、現段階ではUIがまだ整理しきれていないような印象。少々わかり難く、多彩な機能を使いこなすには慣れが必要かもしれない。

 室内空間のパッケージは、後席空間、荷室容量も含めて不満がない。インテリア全体の装飾はとてもシンプルで、あまり上質感みたいなものは感じさせないが、そこもまたゴルフらしいともいえる。数多くの先進装備を備えているが、あくまでゴルフは機能性、実用性にこだわった実用車。そんな主張が聞こえてきそうだ。


高速域までストレスを感じさせない余裕の走り

 搭載するエンジンは、1Lの直3ターボと1.5Lの直4ターボの2種類。特徴は両方とも新開発の「48Vマイルドハイブリッドシステム」が組み合わされていることだ。このうち1Lは新型アウディA3に搭載されたものと同型。これは先にA3で試乗していたので、今回はA3には搭載されていない1.5Lの「eTSIスタイル」を試乗した。

 結論から言えば、やはり全体のバランスを考えると1.5Lが最適だと感じた。市街地での走りだけなら1Lでも不満はないのだが、当然ながら、高速域での加速感、安定感は1.5Lが大きく上回る。1Lで感じた高速域での加速の鈍さや余裕の無さ、少々大き目のノイズを感じることなく、市街地から高速域までストレスがない。低回転域から太いトルクが出てくるので、アクセルを大きく踏む必要も少なく、静粛性という点でも優位だ。

 乗り味は硬すぎず、緩すぎず、非常に快適。ただステアリングとブレーキは、先代と比べフィーリングが少し異なる。まずステアリングは非常に軽く、国産車に近い印象だ。おかげで市街地の狭い交差点でも操作しやすい。ただ感触自体はしっかりとしており、路面の情報もきちんと伝わってくるので頼りなさはなく、直進時の安定感も問題はない。

 一方、ブレーキもやや軽い印象で、効き始めるまでのタイミングがやや長く感じられる。これは48Vマイルドハイブリッドとしたことにより回生ブレーキのセッティングが変わったためだと思うが、もう少し自然なフィーリングが欲しいところ。ただ、慣れれば気にならなくなる程度だ。

報告:鞍智誉章
写真:カーアンドレジャーニュース

最終更新:2021/10/03