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ステランティス グループがプロデュースする「プジョー」ブランドのCセグメントSUV、3008がフルモデルチェンジされて日本に導入された。まずは48Vマイルドハイブリッドの「3008 GTハイブリッド」に試乗する機会を得た。
プジョーの次世代フラッグシップモデルとして登場
ステランティス ジャパンの日本市場における「ハイブリッド攻勢」は、怒濤のように続いている。当Webサイトでもフィアット 600ハイブリッド、アルファロメオ ジュニア イブリダのショートインプレッションを紹介したが、さらに3代目にフルモデルチェンジしたプジョー 3008が、ハイブリッドモデルから日本に導入された。
なお、ステランティス ジャパンでは、ほぼ同時期にプジョー 308や408にも同様のハイブリッドモデルを設定している。以前からアルファロメオ トナーレやシトロエン C4にもラインナップしているし、日本市場におけるハイブリッド車の重要性を考慮した、ステランティス ジャパンならではの戦略といえるだろう。
話をプジョー 3008に戻そう。今回、ステランティス ジャパンではこの3008を「次世代フラッグシップモデル」と謳っている。それはつまり、日本市場における現在のプジョー車のラインナップでは、508や5008がフェードアウトし、408もマイナーチェンジを控えたモデル末期であるために、このブランニューの3008を新たなフラッグシップに据えたようだ。
実際、3008は2009年に初代が発表されてから世界で累計132万台以上を販売した人気モデルであり、日本市場でも販売されているプジョー車の約2割を占めているほど。今回、短時間ながら試乗してみて、ステランティス ジャパンの3008への意気込みが分かるような気がした。
内外装とも新世代プジョーらしく大きく進化
2009年に発表(日本仕様は2010年に発売)された初代はモノスペース的なクロスオーバー、2016年に発表(同じく2017年に発売)された現行型の2代目はSUVとなった3008だが、3代目となる新型はファストバックスタイルのクーペSUVとなった。
サイズ的には従来型よりひとまわり大きくなった。コンベンショナルなSUV風だった従来型に対し、新型ではフレームレスのフロントグリルに並ぶボディ同色のグリッド、ライオンの爪跡をモチーフにしたLEDデイタイムランニングランプ、立体造形の3本LEDテールランプなど、最新のプジョー車らしくスタイリッシュにまとめられている。
インテリアでは小径のステアリングホイールの上からメーター類を見るスタイルを踏襲しているが、より進化した「パノラミック iコクピット」となった。インパネは水平基調に広がり、ダッシュボードとドアトリムが連続している。21インチのパノラミックスクリーンがダッシュボードの上に配され、メーター表示からカーナビゲーションの地図画面など、さまざまな情報を表示する。ダッシュボードからセンターコンソールへと続く斜めのラインもユニークだ。
そして、ダッシュボードからドア内張り、センターコンソールなどに貼られているグレーのファブリックが内装のクオリティを高めている。今回の試乗車はアルカンターラをシート中央部に採用しており、またサイドサポートも調節できるのでホールド感もいい。マッサージ機能も付いていた。クーペSUVではあるがリアシートのヘッド&フットスペースは不満ないレベルだ。ラゲッジルーム容量はリアシート使用時で520L、シートバックを倒せば最大1480Lにまで拡大するから、RVとしての使い勝手も十分に高そうだ。
新開発プラットフォームの効果は大きい
じつは、新型3008の最大のウリはプラットフォームにある。新開発の「STLA ミディアム」というC/Dセグメント向け電動車用プラットフォームで、サイズやサスペンション形式などの自由度が高く、車両の設計自由度を最大化するという。
パワートレーンはフィアット 600やアルファロメオ ジュニアと同じ、システム最高出力145psを発生する1.2Lの直3ターボエンジン+モーター+6速DCT。だが、この2台より3008は300kg近く重い。走りには期待できないかなと思われたが、それは大きく裏切られた。
真夏の試乗ゆえエアコンも全開だからモーターだけで発進することはなかったが、ターボエンジンをモーターがアシストしての走りっぷりに不満はない。本当に同じパワートレーン?と思わされてしまう。しかも、新プラットフォームの恩恵か、乗り味はかなりしっかりしており、また静粛性も高い。
ドライブモードはエコ/ノーマル/スポーツの切り替えが可能で、普段使いならノーマルでも十分な加速を見せる。アクセルペダルを戻したときの回生ブレーキは強さを変更できず、ワンペダルとまではいかないがけっこう強めにブレーキがかかる。それでもフィアット 600ほどではなく、アルファロメオ ジュニアと同じくらいだろうか。
首都高速ではACC(アダプティブ クルーズコントロール)も試してみたが、加減速やレーンキープ能力の精度は高い。市街地では1.9m近い車幅が少々気になるが、運転席からの視界が良いので思ったより扱いやすい。
適度なサイズにプジョーらしいスタイリッシュなエクステリア、機能的でオシャレなインテリアに、ハイブリッドによる高効率でしっかりした走りっぷり。新型3008は、プジョーの次世代フラッグシップモデルと謳われるだけの資質を備えていた。年内にはBEV(バッテリー電気自動車)の「E-3008」も日本に導入される。こちらも楽しみな1台だ。
(報告:篠原政明/写真:原アキラ、ほか)
■ プジョー 3008GT アルカンタラパッケージ ハイブリッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4565×1895×1665mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1620kg
●エンジン:直3 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1199cc
●最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
●最大トルク:230Nm(23.5kgm)/1750rpm
●モーター最高出力:16kW/4264rpm
●モーター最大トルク:51Nm/750−2499rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・55L
●WLTCモード燃費:19.4km/L
●タイヤサイズ:225/55R19
●車両価格(税込):558万円











