アウディ Q3 インプレ

デジタル化は進んでもアウディらしさは変わらない

乗り味はアウディらしい、カチッとしたソリッドなもの。高速の直進安定性も優れており、かなり静粛性も高い。

リアまわりではLEDライトストリップとイルミネーテッド アウディリングスを備えているが、昼間の試乗では分かりにくい。

150psを発生する1.5Lの直4ガソリンターボにマイルドハイブリッドを組み合わせる。パワー的には必要十分といったところ。


2面のディスプレイによるMMIパノラマディスプレイが展開するコクピット。試乗車はSラインパッケージ装着車。

試乗車はSラインパッケージ+レザーシートパッケージ装着車のため、前席はレザーのスポーツシートとなる。ホールド感はいい。

後席は3人掛けだが、中央はおとなには少しツラい。中央部のみのスルーにするなど、シートアレンジは多彩で使い勝手は高い。


※画像クリックで拡大表示します。

 アウディのプレミアムコンパクトSUV「Q3」が約6年ぶりのフルモデルチェンジで3代目となった。日本仕様は標準ボディタイプのSUVとクーペタイプのスポーツバック、それぞれに1.5L ガソリンターボのFFと2L ガソリンターボの4WDが設定される。今回はSUVの1.5L版に試乗してみた。

サイズアップは最小限におさえたのは好印象

 最近のクルマは、代を重ねる毎にサイズアップしていくものが多い。だが新型Q3はコンパクトSUVとしての扱いやすさを重視してか、従来型と比較して全長こそフロントセクションで4cm長くなっているものの、全幅や全高、そして室内寸法などは変わっていない。とはいえ全幅は1860mmあるので、日本の狭い街中で扱うことも考えると、これ以上のサイズアップは遠慮願いたいところだ。

 今回試乗したSUV版のQ3は、コンベンショナルなスタイルながら、ガッチリした筋肉質なスタイリングで、アウディ=流麗といった以前のイメージとは少し異なる。顔つきも最近のアウディ車に共通の、八角形のシングルフレームグリルに細身のヘッドランプなど、けっこう力強い。それでも、サイドビューの水平なショルダーライン、初代クワトロを彷彿とさせるブリスターフェンダー、そしてリアにまわればフロントまわりと呼応したデザインのテールランプやガーニッシュなど、力強さの中にも流麗さを感じさせるのは、やはりアウディらしいといえるだろう。

 なお、試乗車はオプションのSラインパッケージを装着していた。そのため、シングルフレームの意匠や、大型エアインレットとブレードデザインを採用したフロントバンパー、フルペイント仕上げのボディ下部、そして足もとは255/45R19タイヤを10スポーク アルミホイールに履くなど、かなり差別化が図られている。

 このSラインパッケージ、インテリアもかなり差別化されているのだが、それは乗り込んでから紹介していくことにしよう。

ユニークだが扱いやすいステアリングコラムの操作系

 ドアを開けて乗り込むと、ドア内張りからダッシュボードまで一体で包み込むソフトラップなデザインが、いかにも「コクピット」らしい。インパネは11.9インチのバーチャルコクピットプラスと12.8インチのMMIタッチディスプレイで構成されるMMIパノラマディスプレイで、今まではアウディでも上位モデルにしか採用されなかったもの。このあたりにも、アウディの新型Q3への意気込みが感じられる。

 Sラインパッケージにより、フロントのスポーツシート、上下をフラットにしたステアリングホイール、ステンレスペダルカバーなどが採用され、さらにレザーシートパッケージでシート地は「S」ロゴ入りのレザーとなっている。このSラインパッケージで45万円、レザーシートパッケージで9万円のエクストラコストがかかるのだが、アウディのスポーティなイメージで愛車を仕上げたいとか、永く付き合いたいと考えるなら、予算が許すなら選ぶのも悪くないだろう。

 新型Q3のインテリアでユニークなのは、ステアリングコラムに2つのレバーを配し、右側はシフトセレクター、左側はターンシグナル/ライト/ワイパーを統合している。最近のクルマは、どれもATセレクターの位置や操作方法、灯火類やワイパーなどのスイッチのレイアウトに試行錯誤しているように思える。だが、このアウディの操作系はけっこう扱いやすい。右側のセレクターに最初は違和感を覚えたが慣れれば問題なく、タッチはしっかりして良い感触だ。左側ではワイパーの間けつ時間調整はダイヤル式にするなど、かなり考えられている。今回は雨天の試乗だったので、その恩恵を特に感じられた。

乗ってみれば、やっぱり「アウディらしい」

 今回は前述のように天候は雨、しかも試乗時間も限られているので市街地と高速道路を走行しただけだったから、ハンドリングうんぬんまでは語れないが、そのパフォーマンスの一端を味わうことはできた。

 1.5Lターボエンジンは150psと控えめなパワースペックだが、今回の試乗では動力性能は必要十分と感じられた。乗り味はアウディらしい、カチッとしたソリッドなもの。右左折などでのハンドル操作に対する反応は正確で、高速走行では直進安定性に優れていた。高速クルージングのエンジン回転数は、80km/hでは7速で1500rpmくらい、100km/hでは7速で2000rpm弱といったところ(デジタル表示なので、正確な数値は読みにくい)。

 高速クルージングでは状況に応じてエンジンを停止するコースティング機能も備わる。足まわりでは2バルブ式電子制御ダンピングコントロールの採用で、これがアウディらしい乗り味としているようだが、試乗車の19インチ45タイヤは少々ゴツゴツ感を覚える。街乗り中心の使い方なら、ノーマルの235/55R18のほうがベターかもしれない。

 加速時には直噴エンジン独特の音を感じることもあるが、全体的に静粛性は高い。ドライ路面での市街地や首都高速、それにワインディングロードなども試してみたいところだが、それは次の機会のお楽しみとしておこう。

 アウディらしい上質感ある内外装、MMIパノラマディスプレイやステアリングコラムの新しい操作系など、先進性を感じさせるインターフェースなど、新型Q3はインポートSUVへのステップアップを検討しているユーザーには、最適の1台といえるだろう。
(報告:篠原 政明/写真:篠原 政明、アウディジャパン)


■ アウディ Q3 TFSI 110kW アドバンスド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4530×1860×1610mm
●ホイールベース:2680mm
●車両重量:1610kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター(マイルドハイブリッド)
●総排気量:1497cc
●最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/1500−3500rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・58L
●WLTCモード燃費:15.6km/L
●タイヤサイズ:235/55R18(試乗車は255/45R19)
●車両価格(税込):550万円

最終更新:2026/07/05

 

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