ボルボ V40 & V40 クロスカントリー

“洗練”とはこうしたマイナーチェンジのことをいう

椎橋 俊之

数値には表れにくいが、このマイチェンボルボ、内容は大きく進化していた。静粛性がまし、乗り心地のカドもかなりとれていた。歓迎!

クロスカントリー。普通のV40に比べると全高が30㎜高い。ヘッドランプカバーのT字型の装飾はこの写真の方が分かりやすいだろう。 

もともとユニークだったリアランプ周りのデザインなどは大きな変更なし。フロントに比べるとリアのデザイン変化は少ない。


新しいフロントグリルの採用、北欧神話のトールハンマーをイメージしたヘッドランプのデザインなどはXC90との共通性を思わせる(V40)。

内装はかなり豪華。車両価格はV40が339万円〜455万円、クロスカントリーが354万円〜459万円。全車歩行者エアバッグなどを標準装備。

エンジンは、ガソリンが1.5と2.0の2種類(152馬力と245馬力)、ディーゼルが190馬力の2.0。すべて直噴4気筒ターボである。


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 多様性の意味を持つ「Versatility」のイニシャルを持つV40がデビューしたのは1995(平成7)年のことで、ボルボ屈指の成功作といわれる850がV70に名称変更される1年前のことになる。当時のボルボはステーションワゴンが人気を集めていたから、Vシリーズは北欧自動車メーカーのメインストリームといえる存在だった。
 2004(平成16)年にV40はフォード・フォーカス、マツダ・アクセラとプラットフォームを共用するV50へモデルチェンジされた。ステーションワゴン然としたスタイリングはこのモデルが最後で、2012年に登場した現行モデルは従来のC30クーペ、C40セダン、V50ワゴンを統合した5ドアハッチバックとして再スタートを切ることになった。世の趨勢をくみ取り、ボルボはボリュームゾーンの40シリーズをステーションワゴンから小型SUVへと衣替えした。なにしろ、V40は2013年の発売以来、国内で2.7万台を販売している重点モデルなのである。
 現行V40最後のフェイスリフトは2018年にも予定される次期モデルへの橋渡しを予感させる。それはさまざまな面でXC90を連想させる変化に置いて顕著だ。V40のグレード名はT3とD4がXC90に倣いキネティック/モメンタム/インスクリプション、T5がRデザインに変更されている。さらに快適性の向上。当初のハードなダイナミックシャシーはやや穏やかなツーリングシャシーに切り替わり、リアダンパーのツインチューブ化もあって乗り心地は目に見えて向上している。それに加えて温かみを感じさせるファブリックシートを採用し、新世代ボルボのインテリアコンセプトを色濃く感じさせる。また、今回は歩行者エアバッグを全車標準装備とするなど、ボルボ自慢の安全性もアップデートしている。
 エンジンも一新され、T5の2L直列5気筒は「Drive-E」直列4気筒にスイッチされ、ベースエンジンとしてガソリン1.5L4気筒ターボのT3が加わった。ギアトロニック6速オートマチックトランスミッションはツインクラッチのアドバンテージを生かし、トルクバンドの狭い小排気量ターボエンジンを生き生きと走らせることに成功している。

報告:椎橋俊之
写真:佐久間健 ボルボ

<椎橋 俊之> 最終更新:2016/10/07