【JAIA2017】④ ポルシェボクスター|PORSCHE Boxster

ポルシェ ボクスターS 4気筒いいじゃないか。とくにSは速い。

神谷 龍彦

ソフトトップの開閉はわずか9秒で完了する。もちろん電動式。シフトレバー手前のスイッチを押せばいい。安全装備も現時点ではほぼ最高レベル。

718ボクスターのクーペ版がケイマン。車格はボクスターの方が上になった。オプション設定が多いが、PASM、PSMなど走りをコントロールする装備が豊富。

GTステアリング(オプション)。スポーツステアリングよりもさらに小径。ギアはPDK、つまり2ペダル7速MT。写真は現地仕様。


ミッドシップの特徴は操縦性だけでなく、前後にラゲッジコンパートメントをつくれること。エンジンはドライバーの後ろ30cmに。

水平対向6気筒から4気筒への大変更。しかし性能的にもバランス的にも問題はまったく感じられなかった。パワーもトルクも向上。

ポルシェ550(車重が550kgだった)の後継車として1957年にデビュー。1960年のタルガフローリオではRS60が優勝した。


※画像クリックで拡大表示します。

 ずいぶん幅広くなった印象を受けた。しかしサイズを調べると大差ない。1996年にデビューした初代の幅は1780mmなのに対して最新モデルは1825mm、全長も約65mm増えただけだ。この間のクルマのファット化からすれば大したことではない。
 ボクスターは968の後継車として、また廉価版ポルシェの先兵として登場した。ちなみに、ボクスターは水平対向エンジンの「ボクサー」とポルシェのオープンカー「スピードスター」を組み合わせた造語。
 最新モデルにはボクスターの前には「718」という数字が付く。これは何かというと50年代後半にレースで活躍したレーシングカーの車台番号だ。タルガフローリオなどでも優秀な成績をおさめた。今回からケイマンにも718が付くようになった。
 ニュー718ボクスターに対する懸念は、これまでの水平対向6気筒が4気筒になったこと。ホントに大丈夫? 先代ボクスターは2.7ℓと3.4ℓだったが、新ボクスターは2ℓと2.5ℓターボ。ターボが付いたとはいえ、少し不安だ。バランスの問題もあるし。
 試乗車は2.5ℓを積むボクスターのS(350ps)。ターボのよどみはみじんも感じさせない。タイムラグを減らすために、アクセルを一時的に戻してもスロットルを開けたままにして過給圧を維持するメカニズムも貢献する。
 メーターパネルの中央に大きなタコメーター。ソフトトップの開閉スイッチはセンターコンソールのシフトレバー手前ある。開閉に要する時間はたったの9秒。しかも50km/h以下なら走行中でも操作できる。こういうのって意外と便利なのだ。
 軽くスロットルを開けただけで不安は杞憂であることが分かった。Sで350ps、ベーシックで300㎰──ともに先代のボクスターの出力を上回る。しかもビッグトルクを1900回転あたりから中高回転まで発生する。速くてあたりまえか。バランスも上々。サウンドも心地よい。
 トランスミッションは6速MTと7速PDK(2ペダルMT)。0−100km/h加速はMTが4.6秒、PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)だと最速で4.2秒だ。速さ、フィーリングともにポルシェらしさは全く損なわれていない。
 PDKにオプションのスポーツクロノパッケージを装着すると①レーシングスタート可能なローンチコントロール②最大限の加速性能を引き出すレーシング・シフトプログラム③最大のスロットルレスポンスを約20秒間継続させるスポーツレスポンスが機能する。
 プライスは、PDKのボクスターが852万円、同Sが904万円である。

報告:神谷龍彦
撮影:佐久間健/ポルシェジャパン

<神谷 龍彦> 最終更新:2017/2/25