アウディ A6 セダン/アバント
Audi A6 Sedan/Avant

新しモノ好きにも、古いもの好きにも

 1968年にアウディは「100」というモデルをデビューさせた。このネーミングはエンジンが100psだったことに由来する。A6のルーツはこの100だ。
 1976年に2代目に移行し、100の上に「200」というフラッグシップモデルを追加する(1980年)。ただしこれは200psだからというわけではない。100より上という程度の意味あいだ。
 3代目が登場したのは1982年。この時のCd値は当時としては驚異的な0.30。これが大きな話題となり、以後空力性能が注目されるようになる。さらに1986年には200にご自慢のクワトロが設定される。
 1991年、4代目が発表された。1994年にアウディ100はアウディのネーミング文法に沿って「A6」とモデル名を変える。4代目にはちょっと興味深いことがあった。それは全幅を1815个ら1780个妨困蕕靴燭海箸澄それでいて居住性はしっかり確保した。珍しい。
 2004年、6代目A6は他のモデル同様シングルフレームグリルを採用した。今回のA6は100から数えて8代目にあたる。1994年にアウディV8の後継車としてA8が登場しているからもはやアウディのフラッグシップではないが、アッパーミドルとしての重要度は高い。

3つのディスプレイ。スイッチ排除。真っ黒にもなる
 ところでボディサイズはA8とどのくらい違うだろうか。
 A8は全長5mを超すFセグメントだから大きい。(全長5170×全幅1945弌法8た目にも期待通り(?)大きい。しかし、A8の試乗車にはオプションの4輪操舵が装備されていた。これによって最小回転半径を50兔未瓩蕕譴襦糞娑盟蝓畉蚤5度)。60km/h以上では同位相となりで操安性を高める。A8の4輪操舵の効果は劇的だった。
 A6は全長4950弌弊菎緘罐廛薀5弌法∩管1885弌米吋廛薀10弌法A8と比べると長さが220弌幅が60仂ない。これにセット・オプションのダイナミック・オールホイール・ステアリング(可変ステアリンギア&4輪操舵=A8とほぼ同じ)を組み合わせれば、A8と同じように最小回転半径を短縮し、その一方で走行安定性を高めることができる。このボディで最小回転半径5.2mは扱いにくい数値ではない。
 フロントビューではA8譲りの低めのシングルフレームグリル、クワトロ(全モデル駆動方式はクワトロ)のイメージを踏襲するブリスターフェンダーなどが特徴だ。全高は先代よりも低くなっている(最大で35弌鳳洞舛發△辰謄┘ステリアはA8よりもエレガントだ。Cd値は0.24。相変わらずトップレベルだ。ボディがセダンとアバントの2種類というのは従来通り。
 インテリアも先進性にあふれている。全体の印象としてはフラット&ブラック。突起となるスイッチやボタンは基本的に排除した。その立役者が一部モデルに採用されている「MMIタッチレスポンス」だ。操作は、センターコンソールの2つのディスプレイ上でする。上(10.1インチ)はナビゲーションやラジオなどの情報関係、下(8.6インチ)は空調や文字入力などを担当する。スマートフォンのコンテンツ(ナビや電話番号など)も使える。MMIをオフにすれば画面はブラックに変わる。
 いやあ、如何にも近代的だ。しかし、オーディオのアンプのダイヤルの多さに憧れた世代には正直戸惑いもある。スタートの前にしっかり操作方法を聴いておかないで走り出して焦ったことも一度や二度ではない。進化という名の“時の流れ”は少しばかり残酷だ。

0-100km/h加速5.1秒。ゼッタイ速くて静かだ
 エンジンはすべて3ℓV6直噴ターボだ。パフォーマンスは250kW(340ps)&500Nm。また、A8に続き48V駆動のマイルドハイブリッド(MHEV)テクノロジーを採用している。高い回生効率(最大12kW)とスムーズなアイドルストップ(22km/h以下で作動)に貢献する。0-100km/h加速は5.1秒。A7やA8の試乗経験から言えば、このA6には速いというだけでなく静かという形容詞も付くだろう。
今後の日本導入ラインナップには252psのガソリンTFSIと207psのディーゼルTDIも予定されている。エンジンタイプはともに2ℓ直4である。
 駆動方式はセンターデフにクラッチを採用した新世代の4WD(クワトロ)。タイヤスリップの可能性のない通常走行時には前輪駆動で走り、必要に応じて前後のトルク配分を自動で変化させる。ドライビング感覚はこれまでとほとんど変わらないのに、下の方ではクワトロが忙しく働いているのだ。
 税込み価格は920万円(セダン デビューパッケージ)〜1041万円(アバント S ライン)。デビューパッケージというのは導入記念の限定車で、Sラインのエクステリアと20インチホイールなどを装着する。ホイールが大きければいいとは思ないが、装備の内容もこの限定車は魅力的だ。
 「今年は攻めの年です。ほぼ毎月新しいモデル出します。その候補としてはe-トロン、A1、TTなどです。」このほかにも、Q2のスポーツバージョン「QS4」などが考えられる。
 2018年はアウディにとって必ずしも万々歳の年ではなかった。しかし、
 「大丈夫です。今年はドンドン行きますよ」広報の丸田氏はそう言い切った。

報告:神谷龍彦
写真:怒谷彰久 アウディ ジャパン

セダンと同時にアバントも発表。グリルは低くワイドになった。ヘッドランプも特徴的で、5本の水平ラインがデイタイム・ランニングライトのシグネチャーを構成し幅広さの強調に一役買う。

六角形のグリルにA8よりも細いサイドラインが入る。こちらの方が繊細な印象がある。

一本の水平ラインと9つの短い縦ラインから構成される。その桟の間にブレーキランプが。

インパネはやはり水平基調。メーターのほかにも2つのタッチディスプレイがある。このディスプレイをOFFにするとブラックに変わる。ボタンやスイッチの突起物は極力排している。

今回はこの3ℓV6(340ps)だけだが、2ℓのガソリン(252ps)とディーゼル(207ps)の追加もアナウンスされた。エンジンとは直接関係ないが、セーフティサポートも最前線にある。

昨年からアウディ ジャパンの社長に就任したフィリップ・ノアック氏。プレゼンもほぼ一人で担当。


最終更新日:2019/03/18