三菱 eK クロス & eK ワゴン
MITSUBISHI eK X & eK wagon

デザインでSUVを猛アピール→大成功!

 世はSUVブームである。軽自動車から超高級車まで何かに取り付かれたかのように“新作”をデビューさせる。そんな中にまた新SUVが割り込んだ。三菱自動車のeK X(クロス)である。いろいろな事情があったせいかどうかは定かではないが、雌伏6年、満を持して登場した4代目eK。そのうちのクロスは従来のカスタムに代わるモデルだ。

このヘッドライトの設計は出色
 「先代のカスタムはあまり売れませんでした。」と三菱。 で、開発陣はいろいろ考えたのだろう。「そうだ! 我々にはパジェロから続くSUVがあるじゃないか」。何度もの検討の末に出てきた答えが多分これだ。
 いうまでもなくeKシリーズは日産ではデイズと名前を変える。eKクロスにあたる日産のカスタムモデルはデイズ・ハイウエイスターと呼ぶ。これは日産の伝統的な命名手法に沿ったものでどちらかというと高速走行を重視する。三菱が日産の傘下に入ったことで三菱の独自性が損なわれるのではないかという心配もあったが、eKに関する限りは杞憂といっていいだろう。
 eKとデイズは三菱の水島工場(倉敷市)で生産される。企画・開発は日産と三菱の合弁会社NMKV(Nissan Mitsubishi Kei Vehicle)の担当だ。ちなみにNMKVは軽乗用車専門の組織で商用車は対象外だ。特筆すべきはプラットフォーム、エンジン、CVT、そのすべてが一新されていることだ。力の入れようは半端ではない。
 クロスのデザインコンセプトはTHE CUTE BEAST、eKワゴンのそれはTHE CUTE CHIC。BEAST(獣)とまでいえるかどうかはわからないが、クロスのエクステリア・デザインは間違いなく個性的だ。
 デリカD:5などに採用されているダイナミックシールド・デザインを選ぶ。簡単に言えば、水平のグリルと垂直に通したメッキバーを前端ギリギリまで配したデザインだ。デザインもさることながら、注目したいのは各ヘッドランプの位置。一番上にポジションランプを持ってきてその下に縦3連のLEDを配する。しかも上2灯は対向車のまぶしさを考えてロービーム、その下にハイビームを配置した。視認性を確保しながら対向車のことも考えた親切設計だ。
 クロスのサイドビューで目立つのはホイールアーチの黒いデカール。実質的にはデザイン以上の効果はないがSUVの雰囲気を高めてはいる。また、ベースモデル以外には専用のルーフレールも用意されているがこちらはメーカーオプション(ベースモデル以外)。デザインがあまりにSUVっぽいからもしかしたら最低地上高もクロスの方が高いのではないかと思ったが、実際にはワゴン、クロスともに155个世辰拭

エアコンスイッチはタッチパネル式
 インテリアのカラーはクロスがブラック、ワゴンがライトグレーを基調とする。従来車から左右に4.7度拡大された前方視界の下には、同じく視界確保に貢献する水平基調のインスツルメントパネル。スタンダードグレード以外にはタッチパネル式のオートエアコンが標準装備される。
 メーター自体は特に新しくはないが、インフォメーションディスプレイに表示される「タイヤアングルガイド」はユーザーに優しい。前進・後退を繰り返す駐車時にタイヤの向きや角度を知らせてくれる。こういうのって意外と重宝するものだ。
 ホイールベースを65弍笋个靴娠洞舛發△辰童綫覆離法璽襦璽爐70亞搬隋しかも床はフラット。「後席で足を組んでも問題ない」と三菱は言う。限られたスペースの中でここまでできたのはエンジンルームを小さくまとめたからだ。
 エンジンはすべて3気筒。クロス用のエンジンはハイブリッドだ。出力は38kW(52ps)と47kW(64ps)。オートストップ&ゴー可能速度は13km/h以下になった。これに対してワゴンは32kWのみでハイブリッドはない。この辺りの棲み分けも明確だ。
 日産との協力によって「MI-PILOT(マイパイロット)」、つまり日産の「PRO-PILOT」を得た。高速道路同一車線運転支援技術と呼ばれるものだが、これは一部グレードにメーカーオプションとして用意されている。もちろんあるに越したことはないが、新たに車線逸脱防止機能を備えた三菱の安全運転サポート「e-Assist」が標準装備されているから、最先端でないまでも必要な運転サポートは組み込まれている。
 ボディカラーの多様さも特徴。クロスは2トーンが5色、モノトーンが6色用意される。これに対してワゴンはモノトーンのみ7色。クロスの2トーンも魅力的だがワゴンのモノトーンも爽やかで好感が持てる。駆動方式はFFと4WDだ。
 価格はクロスが141万4800円(M/2WD)〜176万5800円(T/4WD)、ワゴンが129万6000円(M/2WD)〜G/4WD)。販売目標台数は4000台/月と日産の約半分。これはディーラー数の差によるところが大きい。eKシリーズ、販売の54%を軽自動車が占めるという三菱の新しい牽引車になるかもしれない。
報告:神谷龍彦
撮影:佐久間健

2トーンカラー(有料)はクロスだけ。このサンドオレンジは新色。クロスは単色を含めて11色。

フロントバンパーガーニッシュはディーラーオプションで3色から選べる。LEDライトにひと工夫。

リアビューはクロスもワゴンも大差ないが、バンパーバーニッシュの分だけクロスの方が目立つ。

ブラック基本のクロスのインテリアだが、オプションでこういうカラー・素材のものも選べる。

エンジンは3気筒。ワゴンは自然吸気だけだが、クロスはハイブリッドでターボ付きもある。

ワゴンはすっきりしたデザインを採用。クールといえばクールで、三菱の言うように嫌味が少ない。


最終更新日:2019/04/08