アウディのスポーツモデル「アウディTT」に一部改良を加えた新型車と、日本導入20周年を記念した限定車「TT 20 years」の発表会が、建築家・安藤忠雄氏設計の「Audi世田谷」で行われた。おもな変更箇所は、従来は前輪駆動のエントリーモデル「TTクーペ40」は1.8Lエンジンだったのが、すべて2Lになったこと。これによりトルクのアップがあり、最大出力も以前より13kW(17PS)大きい145kW(197PS)となった。
フロントグリルが全車ハニカムタイプに
エンジンそのものはTFSIと呼ぶ直噴ターボガソリンエンジンで、4WDの「TTクーペ45」と「TTSクーペ」の最大トルクと最高出力は従来と変わらないが、それぞれ169kW(230PS)、210kW(286PS)とクーペ40を上回る出力を持っている。
トランスミッションはデュアルクラッチのSトロニックだが、クーペ40だけ7速でトルクの大きい45とTTSは6速である。マニュアルトランスミッションは日本には導入されない。
エクステリアでは全車フロントのグリルがハニカムタイプになり、よりスポーティなイメージを醸し出している。細部にはいろいろな変更もあるが、デザインと走りへの可能性からスポーツマインドを高める「Sラインパッケージ」ではテールランプの下にエアアウトレットが設けられているのが目立つ。インテリアは大きな変更はないが、Sラインに採用されていたアルミニウムルックなセンターコンソールが全車に採用された。
20周年記念車は20台。バウハウスジャパン運動も
20周年記念車は世界限定999台、日本には20台限定での登場。ベースモデルは「TTクーペ 45 TFSI quattro」である。個性を形成してきたアイコニックなエレメントの数々を初代Audi TTへのオマージュとして新たにデザイン、時代に合わせて磨き上げたインテリアやバーチャルコクピットといった先進装備を身に着けた個性ある一台。
エクステリアでは特徴的な発光パターンを持つLEDリアライト、ガンメタの19インチホイール、ブラックブレーキキャリパー、そして専用のボディーカラー「アローグレー」。もちろん「20 years」のエンブレムとフォーリングスステッカーがボディサイドに施されている。
アウディTTの車両本体価格(税込み)は以下のとおり。
●TTクーペ 40 TFSI 479万円●TTクーペ 45 TFSI quattro 599万円●TTロードスター 45 TFSI quattro 615万円●TTS クーペ 45 TFSI quattro 799万円●TT 20 years 759万円
なお、ドイツのデザイン大学であるバウハウスは1919年の設立で、ちょうど今年が100周年。これに合わせて日本でも「バウハウス100周年委員会」が発足し「バウハウス100ジャパン」というプロジェクトが2020年にかけて国内の美術館など5会場を巡回して開催される。
アウディの初代TTはこのバウハウスのデザイン思想を彷彿させるものとして語られてきたが、デザインの重要性を強く認識しているアウディはこの巡回展へのスポンサリングを実施している。発表会では100周年委員会の柏木博委員(デザイン評論家・武蔵野美術大学名誉教授)もあいさつに立ち、最近のクルマのデザイン傾向についても語った。
報告:飯塚昭三
写真:佐久間健
フロントグリルのデザインがすべてハニカムに変わった。入門車(40TFSI)は145kWに出力向上。
インテリアデザインは基本的に変更はないが、グレードによってはアルミニウムルックを採用した。
エンジンは2リッター直4直噴ターボ。45TFSIシリーズは169kWと200kWの2タイプある
TT20周年を記念して製作されたアニバーサリーモデル。世界で2000台、そのうち日本には20台。
20周年車のベースはTTクーペ。インテリアには初代をイメージしてブラウンの本革+ステッチ。
ステアリングホイールに記念エンブレム等のほか、シフトノブの奥にシリアルナンバーを表示。