【新車&NEWS】ルノー ルーテシア
最新のフレンチ、想像以上の完成度

 新宿・住友ビル三角広場、ファッションなどの合同展示会「rooms41」の会場にそれは佇んでいた。いくつものショップが雑然と並ぶ中で、伸びやかな赤いボディはかなり窮屈そうに映った。新型ルーテシア、日本初お目見えである。5代目ルーテシアについては一度RJCのホームページで触れたが、その時は価格は未定だった。グレードは3種類。注文生産のゼン(税込み価格:236万9000円)、インテンス(256万9000円)、インテンステックパック(276万9000円)。発売は11月6日(金)からだ。

正真正銘のフルチェンジ。すべてが新しい

 日本ではあまり知られていないがルーテシア(現地名:クリオ)はとっても良く売れている。1990年の初代から先代まで4世代のヨーロッパでの販売台数は1500万台。ヨーロッパではナンバーワン・コンパクトカー(セグメントB)だし、全モデルの中でも欧州2位に輝く。ちなみにナンバーワンはVWのゴルフだ。
 ニュー・ルーテシアは海外メーカーのモデルチェンジには珍しく、内外装、プラットフォーム、エンジン、すべてが新しい。エクステリアのイメージは同じでも、細かいところを見ると先代とは違う。たとえばドアミラーの下やボンネットの直線的なプレスライン、フロントのルノーマークも実際には新デザインの産物だ。  フロントバンパー両端のエアディフレクターは空気抵抗を減らし燃費を向上させる。LEDヘッドライトには二つの発光体とまつげを思わせる立体的なストライプが組み合わされる。ヘッドライト同様にCシェイプを採用したリアランプはワイド感を増す。
 プラットフォームには日産、三菱、ルノーのアライアンスによって生まれたCMF-Gを初めて採用した。先代のプラットフォームより50kg軽く剛性も高い。これがルーテシアの基本性能を縁の下で支える。コーナーでの安定性が向上し、ロール量が減り、ブレーキの踏み込み量が減って制動性もアップしたという。
 ボディサイズは全長×全幅×全高が4075弌1725弌1470弌これは先代とほとんど変わらないが、室内スペースはやや増えている。床が上下に切り替えられるラゲッジスペースは先代より61リットル増えて390リットルになった。

内装は素材から見直した。知覚品質は大幅にアップ

 インテリアは革命とも呼べる進化を遂げたとルノーは言う。革命的と言えるかどうかはともかく、知覚品質は大きく向上した。コクピットはドライバー側に向けられ、センターコンソール高い位置に設置され、その結果としてシフトレバーが短くなった。エアバッグの小型化とともにステアリングが小径になり、メータ―類の視認性がアップした。視界もいい。
 素材の見直しも図られた。ダッシュボード、ドアパネル、さらにセンターコンソールの側面までソフト素材を使っている。細部のフィニッシュもワンランク上がった。これまでフランス車というとデザインはいいけど仕上がりはもうひとつという感じは否めないことがあったが、これからはその心配はあまりなくなりそうだ。  またセンターコンソール上部には7インチの縦型デジタルインスツルメントがあり、ここにエンジン回転数、スピードなどがデジタル表示される。このタッチスクリーンを利用して、運転モードは、My Sense、Sport、 Ecoの3モードに切り替えられる。さらに運転モードに応じて、エンジンの出力特性、7速AT(先代は6速だった)自動変速特性、パワーステアリングのアシスト力(コンフォート、レギュラー、スポーツ)などを変えられる。
 日本仕様のエンジンは1.3リットル直列4気筒直噴ターボ(96kW/131馬力)。これも新設計だ。現地では、ディーゼルターボや1.6リットルと2つのモーターを組み合わせた新開発のハイブリッドシステム「E-TECH」も用意される。
 ハイウエイトラフィックジャムアシスト、アダプティブクルーズコントロール、レーンセンタリングアシスト、パーキング時に活躍する360°カメラ等々……運転支援システムも今やライバルと比べて遜色はない。
 もともとルーテシアは日本での販売台数以上によくできたモデルだったが、5代目は間違いなくさらに進化している。試乗していないので断言はできないが。その選択によっては新しい世界が見ることになるかもしれない。

報告:神谷龍彦
写真:佐久間 健

一目でルーテシアと分かるフルチェンジ。ボンネットに直線を入れ、新エンブレムを採用。

ボディサイズは先代より微妙に小さくなったが、シートの改善やBoseの新開発スピーカーシステムなどによって広い空間を得ている。さすがに欧州ナンバーワンのBセグメントモデルだ。

ワイド感を増すCシェイプLEDライト。2つの光源とまつげのようなストライプのデザイン。

床のボードは2段階に調節できる。ラゲッジ容量は先代より61リットル増えて391リットルに。

全体のラウンドフォルムのイメージは変えないで、ドアミラーの少し下に直線ラインを入れた。

ダッシュボードやコンソールはややドライバー側に向けられた。エアバッグの小型化によってステアリングホイールが小さくなり視界も良くなった。表面素材はソフトさをアップ、質感も向上した。

センターコンソールを上げたことによりシフトレバーは短くなった。パドルシフトも装備する。

現地ではディーゼルやE-TECHと呼ばれるハイブリッドもあるが、日本仕様は今のところ1.3リットル4気筒直噴ターボ(96kW=131ps 240Nm)。ATは6速から7速(7EDC)になった。


最終更新日:2020/10/18