ルノー メガーヌ R.S. 273
もっともスポーティなメガーヌ追加。左ハンの限定モデルも

10月5日、ルノー・メガーヌにニューモデル(マイナーチェンジ)が加わった。その名を「メガーヌ R.S .273」という。R.S.というのは.ルノー・スポール(ルノーの子会社)の略、273というのはこのモデルのエンジンパワーである。
 なぜこの出力にこだわるのかというと、それにはそれなりの理由がある。これは、2014年にニュルブルクリンク・サーキットでFF市販車最速タイムをたたき出した、メガーヌのトップモデルR.S.トロフィーRと同じパワーなのだ。メガーヌ R.S .273はこのモデルを踏襲する。エンジンは2リッターターボ、トランスミッションは6速MTである。シートはタイトコーナーで実力を発揮するレカロのバケットタイプ。価格は399万円である。
 ダッシュボードセンター上部のR.S.モニターには、ラップタイム、0-100km/h加速タイムや0-400m加速度、ブースト圧、スロットル開度、ブレーキ圧などマニアックなデータも表示できる。ただ、ディーラーオプションのナビゲーション・ディスプレイはこのR.S.モニターの前に取り付けられ、ナビ・メーカーはパナソニックかパイオニアが選べる。
 この発表と同時にお披露目されたのがR.S.273トロフィーS(456万円)。オーリンズ製の調性式ショックアブソーバーやチタンマフラーなどを装備する。しかも最速タイム記録に挑戦したモデルと同じ左ハンドル。ただし、このモデルが発売されるのは日本のみで、50台の限定販売だ。試乗していないから正確なことは言えないが、これまでの経験からすると273にせよ、273トロフィーSにせよ、その乗り心地は単純にカタイだけではなくて、公道を走るのにたるしなやかさも備えていると思われる。最近のルノーの足の進化は著しいのだ。
 この発表会イベントには今週末に鈴鹿サーキットで開かれるF1日本GPのために来日していたジョリオン・パーマー選手も出席した。彼によると、新しいメガーヌ・ルノースポール273は、ずいぶんドライブしやすくなったらしい。たとえば従来なら3速へのシフトダウンが必要なシーンでも4速のままで行けることもあったという。その理由を「高回転部分(5500rpm付近)のトルクがアップしたためだ」とルノーは説明する。
 ルノー自体はここのところ販売台数の面でも順調だ。モデル自体も面白い。もっともっと注目を集めてもいいメーカーだと思う。

報告:神谷龍彦
写真:飯嶋洋治

メガーヌ R.S .273。R.S.はルノー・スポールの略。273(ps)は最高出力の数値である。

数値的には表れないが、高回転域でのトルクをアップさせたためドライバビリティが向上。

6速MT、赤いラインやステッチなどでスポーツ性をアピール。フットレストもついている。

50台の限定販売モデル、R.S.273トロフィーSの前に立つ、大極 司ルノー・ジャポン社長(右)とジョリオン・パーマーF1ドライバー。鈴鹿GP、ルノーチームの結果はいかに?

プレス発表会場に展示されていたルノーのF1マシン。このステアリングは取り外し可能。


最終更新日:2016/10/06