マツダ CX-8
Mazda CX-8
トルクフルなディーゼルと3列シートで新たなSUVライフ

 マツダは、3列シートクロスオーバーSUV「CX-8」を9月14日に発表した。発売は12月14日(予約受注は9月14日から)となっている。マツダの国内向けSUVラインアップの最上位モデルとなり、大柄なボディ(全長×全幅×全高が4900mm×1840mm×1730mm)だが、その分、マツダの他ラインナップでは大きすぎるきらいがあるフロントグリルもあまり主張せず、全体的にはスタイリッシュに見える。
 搭載されるエンジンは、「SKYACTIV-D2.2」のいわゆるクリーンディーゼルエンジンだ。このエンジン自体の導入は2012年だが、今回は進化版となった。具体的には、少量の燃料を多段かつ高圧で微細噴霧化して噴射することで静粛性、燃焼効率、環境性能の向上を狙った「急速多段燃焼」を採用したことなどが挙げられる。これで最高出力は従来の129kW(175ps)から140kW(190ps)に最大トルクは420Nmから450Nmとなった。
 トランスミッション、駆動系は、全車種に6速ATを設定。駆動方式はFWDおよび4WDの「i-ACTIV AWD」が選択できる。また、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを制御し、車両の安定性を向上させる「G-ベクタリングコントロール」も標準設定となった。
 燃費はFWD車JC08モードで17.6km/L(WLTCモード:15.8km/L)、4WD車がJC08モードで17.0km/L(WLTCモード:15.4km/L)。燃料タンク容量はFWD車が72L、4WD車が74Lと大きいのも特徴だ。FWDを例にとると計算上では1137kmの航続距離(WLTCモード)となる。
 サスペンション、ブレーキ系も強化された。より大型の海外専用車であるCX-9のサスペンションと基本構造を同じくしているが、ショックアブソーバーの減衰力などは専用のセッティングとなっている。また、リバウンドスプリングをフロントショックアブソーバーに採用しているという。これは、おそらく高速コーナリング時などに、内側のサスペンションの伸び側を規制することによって、乗り心地はそのままに、ロールを減らすことを狙ったものだろう。
 CX-8は3列シートクロスオーバーSUVのパッケージングが大きなセールスポイントでもある。従来の同種のクルマでは3列目は少なからず我慢を強いられる場合が多かったが、3列目に身長170cmでも無理なく座れるという。もちろん、1列目では理想のドライビングポジションを取れ、2列目では大柄な人でもくつろげるという前提条件をクリアした状態での話で、多人数での移動には快適なものとなっているといえるだろう。
 サイズは持て余す感はあるが、狭い路地はともかく、高速道路や幹線道路を長距離移動するという使い方が主と考えれば許容範囲といえるだろう。マツダ得意の「走る歓び」の方は、今後試乗してみないとわからないが、1.8tの重量級のボディをトルクフルなディーゼルエンジンでどのようにひっぱり、専用チューニングのサスペンションでどのようなコーナリングを見せるかが楽しみな一台ではある。
 メーカー希望小売価格は319万6800円〜419万400円(消費税込み)。
報告:飯嶋洋治
写真:佐久間健

最近のマツダ車はデザインの面でも大きな進歩を見せる。鮮やかなソウルレッドクリスタルもいいが、鉄のインゴットのような金属感を重視したマシーングレープレミアムも新しい魅力。

海外向けにはこの上にCX-9があるが、国内用としてはCX-8がSUVのトップに位置する。デザインテーマは「時を越えて愛される普遍性と品格ある先進性の融合」と小飼社長らは語る。

とかく大きくなりがちなSUVだが、CX-8の全幅は1840㎜。まずまず扱いやすいサイズか。

こだわるのは質感だけではない。安全に対する配慮も高い。オルガン式ペダルの位置を工夫してアクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ。7インチセンターディスプレイは全車標準装備。

3列式シート(6人/7人乗り))を採用。このくらいのサイズ(全長4900㎜)になると、5:5分割可倒式シートバックの3列目も、2列目ほどではないが窮屈さはほとんど感じさせない。

ディーゼルも大幅に進化。パワーは129kW(175PS)から140kW(190PS)に、最大トルクも420Nmから450Nmに増えた。タンク容量は72ℓ(FWD)と74ℓ(4WD)。大きい!


最終更新日:2017/09/21