スズキ スペーシア/スペーシア カスタム
SUZUKI SPACIA/SPACIA CUSTOM

N-BOXの追撃体制は整った⁉

 ちょっと前までは追われる立場だった。それが急にチャレンジャーになってしまった。ホンダのN-BOXに対して。ダイハツのタントもスズキのスペーシアも、だ。
 軽自動車のいわゆるハイトワゴン市場の競争は激しい。しかし12月14日に発表されたスペーシアはいい戦いを挑めるかもしれない。N-BOXの強みはエンジンの静かさや走りの良さにもあるから、最終的には試乗してみなければ確かなことは言えないが、発表会で見た限り、これはいい勝負になりそうだと思った。
 このモデルには「スペーシア」と「スペーシア カスタム」がある。もちろんカスタムの方がよりスポーティだ。スペーシアのエンジンは自然吸気(38kW/52PS)のみだが、スペーシア カスタムにはターボ(47kW/64PS)も用意される。
 デザインモチーフはスーツケース。ボディサイド上部や下部のへこみ、そしてインテリアの一部のデザインでそれを表現する。メーカーは、スペーシアでは「ワクワク感」をカスタムでは「圧倒的な迫力と存在感」を表現したと言うが、まあ、それをどう取るかはユーザーの勝手というもの。いずれにしてもカスタムが派手なのは間違いない。
 ボディは少し大きくなった。といっても軽自動車規格があるから自由にというわけには当然ゆかない。規格内で前後長を伸ばし、上端を外に押し出した。全高を50丱▲奪廚気纂柴盥發35仭やした。前席の乗員の左右距離を30弌▲轡腑襯澄璽襦璽爐25弌後席のヘッドクリアランスを45个盂搬腓靴拭A粟覆離劵奪廛櫂ぅ鵐箸30仂紊ったから視界も改善された。ホイールベースは35仗びたのに最小回転半径が4.4mのままというのも歓迎できる。
 リアのスライドドアの開口幅も20仭えている。パワースライドドア以外のドアを施錠したのちにスイッチを押せば、パワースライドドアが施錠できるリモコンに「パワースライドドア予約ロック機能」も付いた。つまりドライバーは完全に閉まる前に車を離れられる。ちょっとしたことだが意外に便利かも。リアシートもワンアクションで前に倒せる。このあたりの小技は日本の軽自動車メーカー得意技である。
セーフティサポートでは軽自動車でトップ
 エンジンはすべてマイルドハイブリッドで発進時には10秒間モーターよるクリープ走行ができるし、100km/hまでの加速時にはISG(モーター機能付き発電機)がエンジンをアシストする。これらによりJC08モード燃費は最大で30.0km/ℓを達成しているが、コンマ何km/ℓは、もはやさほど重要ではないだろう。
 今度のスペーシアで注目すべきは、安全装備だ。軽自動車初採用が3つある。
 ひとつは後退時の被害を少なくする「後退時ブレーキサポート」。リアバンパーに内蔵された4つの超音波センサーが後方の障害物を検知し、自動的にブレーキをかける。同時に、ダイハツやホンダの軽自動車の一部に装備されている前後誤発進抑制機能も付いた。
 もうひとつはフロントガラス投影式の「ヘッドアップディスプレイ」。スピード、シフトポジションのほか進入禁止の道路標識をカラーで表示する。最近マスコミを賑わすことが多くなった逆走行などの防止に役立ちそうだ。
 チーフエンジニアの鈴木氏はこう語る。
 「意外に大変だったのはヘッドアップディスプレイでした。これ自体は珍しくないけど、ウチにそんなに多くのノウハウがあるわけではないですから。それと映すガラスの開発も大変でした。試行錯誤というか。また、どんな情報を表示するかも重要な検討課題でした。スイッチで簡単に選べるようにしましたけど…」
 最後は「3Dビュー」だ。これに左右確認サポート機能も搭載する。ただしこれはオプションの全方位モニター用カメラパッケージ(7万5600円〜7万7760円)の選択が前提条件となる。しかし、「後退時ブレーキサポート」と「ヘッドアップディスプレイ」は全車標準装備だ。もし不要なら下記の表示価格より約6万円安くなる。
 プライスは133万3800円(スペーシア ハイブリッドG/2WD)から190万8360円(スペーシア カスタム ハイブリッドXSターボ/4WD)。ほぼ現状維持だが、これだけの新装備を付けてのことだから割安感はある。トランスミッションはすべてCVT。目標月販台数は両車合わせて1万2000台である。
報告:神谷龍彦
写真:佐久間健

フロントグリルは、ヘッドライトデザインを含めてカスタムとは大きく異なる。ボディカラーは10色。ルーフにホワイトかブラックを選んでツウトーンにすることもできる

カスタムの顔はかなり派手だ。サイドはスペーシアと同じで、上下にいくつかのへこみが入る。ホイールベースを伸ばすと同時に前後ルーフの上端を拡大した。カラーは9色。

リアドアは左右スライド式。スーツケースをメージしたへこみは後ろまで続く。荷室が広くなり、自転車のような大きなモノも搭載できる。2013年以来のフルチェンジだ。

サイドラインを強調したインテリア。スペーシアとカスタムではメーターデザインが異なる。グローブボックスの上にはスーツケースをイメージしたデザインを取り入れた。

スズキセーフティサポートは一気に充実した。後退時のブレーキサポートを始めに、前後誤操作発進抑制機能、全方位モニター、ハイ/ロー自動切り替えなどを標準装備


最終更新日:2017/12/15