BMWアイスリー
BMW i3

新型i3より3年連続輸入車ナンバーワンの方がビッグニュース?

 「3年連続で輸入車インポーターとしてトップを獲得しました」
 BMWグループのペーター・クロンシュナーブル社長は、新型i3の発表会の冒頭で誇らしげにこう言った。
 ただこれには少々説明がいる。ブランドとしてのトップは6万8221台(前年比+1.2%)を販売したメルセデス・ベンツである。BMWブランドは5万2627台(同+3.8%)で2位になる。しかしこれにMINIブランドの2万5427台(+3.6%)を加えると合計7万7954台(+3.8%)で文句なしのトップなのだ。
 そのバックグランドにはX3や2シリーズの4WD、7シリーズのディーゼルの導入などがある。MINIも相変わらず好調で5ドアモデルやクロスオーバーPHEVなどの追加の効果も大きい。2018年以降にはMINI 3ドア/5ドア、コンバーチブル、i8クーペ/ロードスター、X2、X5、さらにはX7などの登場が予定されている。
 2017年の日本の輸入車マーケットは概ね拡大傾向にあり、総販売台数は20年ぶりに30万台を超えた。BMW以下の販売ランキングには、フォルクスワーゲン、アウディ、ボルボ、ジープらが名を連ねる。プジョーも11.3%増と健闘したが、驚異的伸び率を記録したのは同じフランスのルノーだ。絶対台数(7121台)はまだまだだが、前年比34.3%増は凄い。
 さてi3。日本的な感覚で言えば今回はマイナーチェンジだ。だからエクステリアもインテリアも基本的にはほとんど変更はない。もちろん、電気自動車であることも、ワンペダルドライブであることも、後輪駆動方式(RR)であることもだ。
 まずエクステリア。フロントが少し変わった。分かりやすいのはウインカーのカタチだ。バンパー左右についていた丸型が横型の長方形にお色直し。それに伴いバンパーの形状も少し変わった。また、全モデルのヘッドライトがLEDになったのも特徴と言えば言える。
 サイドの変化はルーフサイド。前から後ろまでクロームの加飾が付いた。これによって、どちらかというと変わり者で真面目な公務員のようなi3の印象が少し和らいだ。リアもバンパー形状が微妙に変わると同時にエンブレムの下にクロームのラインが入った。
 ひと充電での可能走行距離は399mm(2016年のマイチェンで約7割増えた)。ただしこれは最大値と思った方が賢明で、実際には下回ることが多い。そのせいか従来のi3の顧客の約9割はレンジ・エクステンダー付きを選んでいたという。これだと走行距離が約510mmに増えるが、燃料タンク容量は9ℓだから驚くほど長距離になるわけではない。
 最初はひたすら違和感の強かったワンペダルドライブだが、日産リーフなどの採用によってこちらも随分慣れてきた(慣らされた?)。コツは必要だが、アクセル操作だけで加減速ができるというのは思っていた以上に便利ではある。ただ、もう少し穏やかにしてくれるとありがたいけど「理想は高く掲げて」というポリシーの強そうなドイツメーカーにはこの声は届かないかもしれない。
 価格は少し上がって538万円(アトリエ)から644万円(スイート レンジ・エクステンダー装着車)。400万円台のモデルは消えた。

報告:神谷龍彦
写真:佐久間健

まずは2017年の輸入車ナンバーワンの報告をとクロンシュナーブル社長。MINIの人気が衰えないのも凄い

地味なブラック系だけでなくレッドも似合う。フロントのウインカーのデザインが“大きな”変更点。

リアバンパーの上にクロームのラインが付いた。気にしなければ気づかないかもしれませんが……。

グレードは下から「アトリエ」、「ロッジ」、「スイート」の3種類。写真は最上級のスイート。

観音開きの5人乗り。リアのドアを開けるには先にフロントを開けておく必要がある。後席は50:50の可倒式。

ブリヂストン製のオロジック。狭幅、大径、高内圧。前輪は155/70R19、後輪は175/60R19。写真は20インチ。


最終更新日:2018/01/16