SUZUKI IGUNIS

スズキ、コンパクトクロスオーバー「イグニス」を発表


 スズキから新しいコンパクトクロスオーバーカーが登場した。その名をイグニスという。もっともこのモデル、昨年の東京モーターショーですでに展示されていた。このとき、発表が近いことがアナウンスされたが“新しモノ”が多いショー会場ではさほど強いインパクトはなかった。しかし、1月21日に正式発表された市販モデルはなかなか魅力的なモデルに映った。

 まずサイズがいい。全長×全幅×全高は3700mm×1660mm×1595mm。寸法的には同社のハスラーとエスクードの中間くらいだ。「あまり大きなボディはいらないけど軽ではちょっと」という、冒険心のある人にはぴったり。ソリオに比べると全長が10mm短く、全幅は35mm長い。SUVらしくアイポイントは高めになっているし、最低地上高は16インチタイヤのおかげもあって(ソリオは15インチ)180mmと高い。都市型とは言うものの、悪路の走破性はかなり優れていそうだ。最小回転半径は4.7m(ソリオは4.8m)だから、比較的小回りもきく。プラットフォームは、昨年8月にデビューしたソリオと同じAセグメント向け新タイプだ。

 このボディに組み合わされるパワートレインは、これまたソリオと同じ。つまり、直列4気筒1.2ℓのマイルドハイブリッド(91ps)とCVTだ。駆動方式は2WDと4WDがあり、08モード燃費はともにソリオよりもいい。これにはボディ重量の差が貢献していると思われる。ただ、ハイブリッドと言ってもトヨタなどのハイブリッドとは異なりS-エネチャージだから、EVがアシストするのは加速時の30秒。EV走行はできない。ということもあって、スズキは通常タイプのストロング・ハイブリッドの追加可能性も示唆した。

 価格は138万2400円から177万8760円。軽乗用車との差は大きくない。小排気量でパワーを絞り出さなければならない軽自動車よりも、エンジンや居住性面に関するコンパクトカーゆえの余裕には心ひかれる。月販販売予定台数は1500台。ただし、市販は2月18日からだ。

 また、東京モーターショーに展示されたバレーノの市販も近いことが鈴木新社長の口から告げられた。これはBセグメントのハッチバックで、エンジンは4気筒1.2ℓのほかに1ℓターボもありそうだ。トランスミッションは6速ATらしい。生産国はインドだ。

 

街からオフロードまで。まずこのサイズが魅力。タイヤは16インチで最低地上高は180mm。スイフトより50mmも高い。

リアクオーターがアルトに似ていると思ったら、これはフロンテクーぺのイメージ、ブラックピラーはスイフトからだと言う。

ソリオとまったく異なる通常のメーター位置。横のラインを強調した上下2層のデザインがインパネの基本。質感は上々。

鈴木修氏(現会長)の後を引き継いだ息子の鈴木俊宏新社長。10万台計画に挑む。バレーノの近日導入も発表。

神谷龍彦


最終更新日:2016/01/27