BMWはコネクテッド(つながる)機能については「BMWコネクテッド・ドライブ」として展開しているが、今回これに新たな機能を追加するとともに、より利便性を高めたスマホ用アプリ「BMW Connected」を新たに導入した。
ナビゲーションシステムの目的地設定など従来からスマホ上で設定できたが、新アプリではその操作がワンクリックでできるなど、使いやすさが向上した。また、メインテナンス情報の確認やサービス予約などの新機能がこのアプリに集約され、使い慣れたスマホ上で操作できるようになった。
大きな特徴はクラウド技術を活用したこと。クラウドとは「雲」を意味しているが、実際には見えない大きなデータセンターを車両とスマホが共有する技術で、より広く便利な機能を使えるようになった。ただし、この新アプリに対応しているOS(オペレーションシステム)はマック系の「iOS」だけで、今のところウィンドウズ系の「android」には対応していない。
◆地図機能に関連する新機能
・Send To Car(センド・トゥ・カー)
従来も事前検索した目的地をパソコンやスマホで車載のナビゲーションシステムに送信して表示できたが、いくつかの操作が必要であった。しかし、今度の機能ではスマホで検索した目的地をBluethooth(ブルートゥース:無線通信の一手法、規格)で車載ナビに送信すると、ワンクリックで目的地設定が可能になった。また、スマホ上で目的地を検索した際に最新の道路状況(混雑状況)を加味した到着予想時刻を表示するようになった。
・出発時間通知
逆に到着時刻を決めると出発時刻を教えるだけでなく出発を促す通知をドライバーに発信する機能もある。
・Share Trip Status(シェア・トリップ・ステータス)
到着予想時間をSNSで友人や家族、待ち合わせ相手に簡単に知らせることができる。
・リモート車両サーチ
駐車した車両の位置を地図上に特定できるだけでなく、車両までの徒歩ルートを地図上に表示可能になった。
◆車両情報に関連する新機能
・リモート3Dビュー
車載カメラからによる映像をスマホ上で確認できる。離れた場所から車両の周辺状況を映像で確認できる。
・ドア/ウインドウ開閉
車両から離れた場所からドア/ウインドウの開閉状況を確認できる。
◆メインテナンス・サービスに関連する新機能
・サービス・リマインダー
法定点検時期やエンジンオイル等の一部消耗品のメインテナンス情報を、「BMW Connected」アプリ内でも確認することが可能になった。
・ディーラー検索/予約
アプリ内の地図上に現在地から最寄りのディーラーを表示し、車両ナビゲーションシステムと連動することで目的地として設定したり、オンライン入庫予約リクエストの送信や直接電話したりすることができる。
・BMWニュース
オーナー向けサイト「BMW Service Lounge」と連携、ニュースほか各種情報などがアプリで閲覧可能。
◆従来からの車載機能
当然ながら従来から引き続き使用可能な車載機能も以下のようにいろいろある。
・BMW SOS コール:深刻な事故発生時に自動的に車両からSOSコールを発信。
・自動テレサービスコール:車両のコンディションにより、自動的に整備関連の全データを指定のディーラーに送信。正確かつスピーディーにサービスを受けることが可能。
・バッテリー・ガイド:バッテリー電圧が規定より低下すると車両から自動でディーラーに異常を通知する。
・エマージェンシー・サービス:路上故障などが発生した場合に、車載コントロール・ディスプレイのメニューから「BMWエマージェンシー・サービス」に連絡することで、オペレーターと音声通話。加えて車両の位置情報や車両の状況のデータがコールセンターに送信、迅速な手配が可能。
・BMWオンライン:車内のコントロール・ディスプレイから最新ニュースや天気予報を閲覧・検索できる。
・BMWドライバー・サポート・サービス:走行中でもコールセンターのオペレーターが様々な情報を調べ、24時間、365日ドライバーをサポート。
◆従来から引き続き使用可能なアプリ機能
・リモート・クライメート・コントロール:車外からペンチレーションを起動させる機能。PHEVやEVではエアコン/ヒーターも起動できる。
・リモート・ドア・ロック/アンロック
・リモート・ライト・フラッシュ
・BMW Apps:スマホを車両に接続し、車内のコントロール・ディスプレイとiDriveコントローラーにて様々なコンテンツを利用。
報告:飯塚昭三
写真:怒谷彰久
クラウドを活用して従来の複雑操作を簡略化し、さらに新機能も追加した。新しいスタンダードになりそうだ。
たとえば目的地到達時間をせっていすれば、何時に出発して、どのくらいの時間がかかるかを自動的に教えてくれる。