BYD ラッコ (2)



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 BYDが日本の軽自動車枠に合わせて専用設計したEV「RACCO(ラッコ)」が、いよいよ発売された。都内で開催された発表会では立ち見が出るほどの大盛況で、各方面からの関心度の高さがうかがえた。
 そのRACCOに公道試乗する機会を得た。試乗車は「300Premium」。WLTCモードで一充電320�卅�行可能なバッテリーを搭載し、運転席パワーシートやアラウンドビューモニター、合皮シートなどを標準装備する最上級グレードだ。
 パワーシートとチルト&テレスコピックステアリング機構で最適なポジションに収まりスタートスイッチを押すと、なにやら奇妙な音が聞こえて面食らってしまった。聞けばラッコの鳴き声をモチーフにしたサンプリング音だという。続けてウインカーレバーを操作すると、これまたポップな感じで面白い。カスタマイズも可能というから、初っ端から遊び心が感じられた次第だ。
 RACCOには、ノーマル、エコ、スポーツ、スノーといったドライブモードと、回生ブレーキにノーマル、ハイが用意されているのだが、まずはともにノーマルモードで始動。EVらしいアクセルワークに対するリニアな感覚で、1.2t超えのスーパーハイトワゴンを軽快に加速させ、通常の走行状況での不満はまったく感じられない。一方、スポーツモードと回生ブレーキをハイに設定すると、力強い加速と減速力が高められた回生ブレーキが相まって、スポーティなワンペダル走行も可能。エコモードは加速感が若干緩まるが、平坦路や高速道路で使いこなせれば、電費をより高めることができるだろう。
 直進安定性やハンドリングは、従来の軽スーパーハイトワゴンを凌駕する。不快なロールがほとんどなく、ワインディングでも欧州の小型車に匹敵するオンザレールに近い感覚だった。その走りを支えるのが、BYDが誇る高剛性ボディといえる。最大で2000Mpaの高張力鋼板を採用し、さらにレーザー溶接を随所に施すなど、最先端の技術が集約されているのだ。
 ただ、日本の軽自動車からの乗り換えと考えると、乗り心地はやや硬く感じられる。後部座席では時折跳ねるような挙動も見られたため、軽自動車枠としては重量級のボディを支えるための165/65R15インチタイヤやサスペンションセッティングなどが影響しているのかもしれない。
 シートアレンジも後席チップアップ、スライド、リクライニング、ダイブダウンなど多彩だが、至れり尽くせりの手軽な操作でワンタッチ…とはいかない。マイカーとして慣れれば問題ないと思われるが、走行性能や乗り心地などを確認することも含めて、実際に試乗することをお勧めしたい。
 発売2週間で累計受注台数が1000台を達成したというRACCO。さらに販売台数を増やすには、ディーラー網の構築が課題になるだろう。クルマ自体の完成度は高いと思われるので、修理や車検が随時受けられるのか…などの不安が解消できれば、日本市場においても独自の存在感をアピールできるはずだ。
(担当・小堀 和則)

最終更新:2026/08/13

 

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