スバルは意外にも(?)電気自動車(EV)に積極的な自動車メーカーだ。2030年までに販売台数の半数をEVにするという積極的かつ野心的な目標を掲げていて、EVの販売計画は2028年までに世界で40万台、2030年には60万台としている。
今回乗った最新改良型BEVの「ソルテラ」はトヨタ自動車の「bZ4X」と共同開発したもので、プラットフォームを共有するロングボディの「トレイルシーカー」はその強力版。そのトヨタ版がbZ4Xツーリングとなる。さらに大きな3列シートの「ゲッタウェイ」(トヨタ版はハイランダーEV?)や、コンパクトモデルの「アンチャーテッド」(トヨタ版はC-HR+)も控えていて、2028年末までには合計8車種のEVがそろうことになる。「ソルテラ」はそれらの基本モデルとなる立ち位置ということで試乗記を書くことにした。
全方位的に性能を進化
2022年にデビューしたスバルのEV第1号「ソルテラ」は、兄弟車のトヨタ「bZ4X」とそろってマイナーチェンジを果たし、EVの基本性能である航続距離、充電時間、電費、静粛性を全方位で進化させた。内外装のデザインも大きく変わっている。
ボディサイズは全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mm、ホイールベースは2850mm。システム総合出力はFFで150kW(204PS)から165kW(227PS)に、4WDでは160kW(218PS)から252kW(343PS)に大幅アップしている。
航続距離(WLTCモード)はFFが567kmから746kmに、4WDが542kmから687kmとなり、その進捗率も著しい。バッテリープレコンディショニング機能を追加するなど、充電スピードのアップも忘れていない。今回は4WD版の「ソルテラ ET-HS」に試乗してみた。
エクステリアでは、初期型にあったヘキサンゴングリルとC型ヘッドライトを組み合わせた顔つきを廃止。ツルリとしたグリルレスフェイスのセンターに「六連星」のオーナメントがあり、切れ長のヘッドライト下部に3連ポジションランプが取り付けられた新意匠になっている。この顔、今後のスバルEVモデルに引き継いで統一感を出すという(トレイルシーカーもこの顔だ)。さらに、サイドのホイールクラッティングを従来のマットブラックからグロスタイプに変更。より乗用車ライクなスタイルとなっている。
インテリアは上下が平らなオーバルデザインのステアリング(こちらは2023年に変更済み)、12.3インチから14インチへと大型化されたセンターディスプレイ、スマホ端末を2つ並べて充電できるワイヤレスチャージを備えた新形状のセンターコンソールなど、新モデルらしい統一感があって好印象だ。
走ってみると、フロントサイドのガラスが遮音タイプに変わったおかげで、車内がこれまで以上に静かになったことに気がつく。そしてアクセルを踏み込むと、加速性能が大幅にアップしているのが明確に伝わる。データを見ると、0-100km/h加速タイムは5.1秒。背の高いSUVスタイルなのにスポーツカー並みの走行性能を発揮するのはもうお馴染みの出来事だが、やっぱり感心してしまう。パドルシフトで加減速の特性を調整できるのも嬉しいところだ。
価格は605万円。モデルチェンジ前と比べると100万円以上のディスカウントを敢行していて、補助金を活用すればかなり現実的な数字になることは計算できる。一方で、値段が下がるのはありがたいことなのだが、BEVの買い時を見極めるのは難しい、と改めて思わされたことも告白しておこう。(了)
報告:石原彰











