先代の販売終了から3年以上のブランクを経て日本で販売が開始された6代目「CR-V」。車体設計開発責任者の谷口正将アシスタントチーフエンジニアによると、「5代目CR-Vの生産が終了し、その後はZR-Vがその車格を担うということが会社の方針で決まりました。2022年にデビューした新型CR-Vは北米やその他の地域向けのグローバルモデルとして開発していて、特に北米の法規対応として全長が95mm長くなるなど、また一つサイズが大きくなったからです。とはいえ、そのグローバルにおいて(特に北米で)新型は人気を獲得し、販売規模も大きくなったことと共に、日本国内でももうワンサイズ(ZR-Vよりも)上のクルマが欲しいというお客様の要望が高まるというニーズがあることもわかり、さらに個人的にも作った時から日本で出したい、売りたい、という希望を持っていました」というのが、販売にこぎつけた理由だという。
ホンダ広報によると、月販販売目標は400台で、現在は受注と納車済みを含めて4000台まで伸長していて、なかなかの出足を見せているとのこと。前有車がCR-Vというロイヤルユーザーは約46%とその半数近くを占めていて、男性比率は約9割、年代別では40代、50代、60代がそれぞれ2割超という状況だそうだ。
国内ホンダSUV中最大のボディ
新型CR-Vのボディサイズは、全長4700mm(先代+95mm)、全幅1865mm(先代+10mm)、全高1680mm(±0mm)、ホイールベース2700mm(先代+40mm)で、これまでホンダSUV中最大だったZR-Vよりも130mm長く25mm広く60mm高く、ホイールベースも45mm長いディメンジョンで構成されている。
新型のグランドコンセプトは、感動を生み、日常を誇れる、トキメキがあるクルマであることを謳う、「感動 CR-V」というストレートな表現で語られている。具体的には、スポーティーな外観なのに予想を超える室内の広さという「骨格」、上質な空間かつタフに使える収納という「スペース」、大人がゆったりくつろげるのに赤ちゃんに手が届くという「シートアレンジ」、見晴らしのいい高ヒップポイントなのに安心安全な乗り味という「ドライバビリティ」、楽しく快適な走りなのに環境貢献という「パワートレーン」、安全機能の拡充かつ広角化による安全支援拡大という「ADAS」、トルク感溢れる走りなのに質感高い静粛性という「ドライバビリティ」、安心できる車格感なのに取り回しがしやすい視界という「ボディサイズ」、クラストップの大容量かつ使いやすいユーティリティという「荷室」、などなどの“ギャップの両立”が行われていて、「SUVだから」という言い訳や諦めを一切排除し、究極のオールラウンダーであることを目指したという。
生産国はタイで、エクステリアのデザインはWR-Vの大型版ともいえるシンプルかつ力強いスクエア形状だ。一方のインテリアは、シビックなどでお馴染みの水平基調のデザインを踏襲していて、まさに今時のホンダ車らしいデザインだ。フロントシートヒーターをはじめ、グレードによってはフロントベンチレーション、リアシートヒーター、ステアリングヒーターなど高級車らしい機能を揃え、これにインテリジェントフルオートエアコンが協調制御することでプレミアムSUVらしい上質な室内空間を提供しているのだ。
ホンダらしい走りのロックアップLow付き4WD
試乗したキャニオンリバーブルー・メタリックの「e:HEV RS」が搭載するパワートレーンは、109kW(148PS)/183Nmを発生する2.0L直噴アトキンソンサイクルDOHCエンジンと、135kW(184PS)/335Nmを発生する平行軸配置の2モーター内臓電気式CVTの組み合わせ(13、22)。ホンダのe:HEVシステムといえば、バッテリーの電気だけで走る「EVドライブモード」、エンジンで発電してモーターを回して走る「ハイブリッドドライブモード」、エンジンのほうが効率よい場合にタイヤと直結して走る「エンジンドライブモード」の3つがあるのはご存知の通りだが、今回のCR-Vは、高速道路での巡航時にエンジンと直結する「ロックアップHigh」だけでなく、緩加速や登坂時にもエンジンと直結して低燃費を実現する「ロックアップLow」が新たに追加されている。
試乗コースは箱根のワインディングを選んだ。ロックアップLowに切り替わった際にはパワーフローの表示でエンジンの下側にギアのマークが現れるというので注意して見ていると(周囲の交通状況はもちろんのこと)、「おっ、出た」という感じで小さく白いギアが出現している。その時は特にショックがあるわけでなく、ごく自然な感じで切り替わっている。(23、24)
登り下りとコーナリングが連続する箱根では、エンジンがかかる割合がかなり多いのだが、リニアシフトコントロールによって加速に連動したリズミカルなエンジンサウンドを聴かせてくれるし、その時の透過音は澄んだホンダサウンドなので、是非もなし。一方でアクティブノイズコントロールによってロードノイズなどのこもり音は抑えられている。AWDは50:50~60:40の可変式なので前後輪のグリップは最適化されているし、リアに小型等速ジョイントをしたことでコーナリングが安定している。
左右水平の車両感覚が掴みやすいエンジンフードやノイズレスのスクエアな視界、ステアリングの角度を先代の28°から25°へと倒したセダンライクなステアリングの操作感覚などによって、大きなボディを気にするすることなくドライブできるのがいい。走行シーンに応じて「スポーツ」「ノーマル」「ECON」のほかCR-V初の「INDIVIDUAL」と「スノー」モードが選べるほか、下り坂で車速を一定速度に抑える「ヒルディセントコントロール」も装備している。(了)
報告:石原 彰









