
試乗モデルの3列シートは明るいベージュのファインナッパレザー仕様。物理スイッチを最小限に留めたシンプルで上質なマテリアルのインテリアはスカンジナビアンデザインの権化。ユーザーエクスペリエンスとしては9インチのドライバーディスプレイと14.5インチセンターディスプレイ、大型ヘッドアップディスプレイが備わり、申し分のない組み合わせだ。
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ボルボの新型フラッグシップ電気自動車「EX90」と「ES90」に試乗した。名称でわかる通り、EX90は背の高い3列7人乗りのSUVタイプで、ES90は背の低い5人乗りクロスオーバースタイルだ。
2台のベースとなるのはボルボの新しい「SPA2アーキテクチャー」を採用する、統合型技術基盤である「スーパーセット・テックスタック(Superset tech stack)で開発された次世代SDV(ソフトウェア・デファインド・カー)という成り立ちで、つまり背の高さは違えども両車は兄弟車であり、この2台が今後のボルボを引っ張っていくというわけだ。
巨体を操る最新プラットフォームとパワートレイン
プラットフォームはEV対応として大改造したSPAジェネレーション2で、電力の出し入れがスムーズで、加速レスポンスや充電速度・効率が向上した800Vアーキテクチャを採用。そのメリットは、発熱を抑えつつ高出力を受け入れることができる急速充電にあり、たった10分で航続距離250km分の電気を蓄えることができるようになった。また10%〜80%までの充電時間はわずか22分。高電圧化したことで配線の直径を細くすることができ、重量削減とともに電費性能と駆動効率をアップすることに成功している。
またHuginCore(フギンコア)と名付けられた中央コンピューターには、従来の約100個のECUを廃止した代わりとして情報を一元管理するNVIDIAのOrinチップ(毎秒254兆回の演算を行う)を搭載。インフォテインメントシステムには高速処理と高品質なグラフィックが自慢のSnapdragon Cockpit Platformsを採用して美しいディスプレイを創出し、さらにOTA(無線アップデート)で購入後の車両の進化を続けることができるという。
パワートレインは、前220kW/390Nm、後280kW/480Nm の2モーターにより合計で500kW(約680PS)/870Nmを発生する強力なもの。試乗した上級版の「EX90 ウルトラツインモーター」(1399万円)は、全長5035mm、全幅1965mm、全高1740mm、ホイールベース2985mmという巨体だが、0-100km/h加速はスーパーカー並みの4.2秒で、最高速度は180km/h。また「ES90 ウルトラツインモーター」(1229万円)は全長5000mm、全幅1940mm、全高1545mm、ホイールベース3100mm、という低く長いボディを持ち、0-100km/h加速はわずか4.0秒というさらなる高性能を発揮する。
バッテリーは2台とも106kWhの大容量のものを搭載し、EX90は650km、ES90は720kmの航続距離(WLTCモード)を誇っている
EX90はいろは坂、ES90はターンパイクへ
EX90は、東京・青山を出発して東北道で日光へ、いろは坂を登り、中禅寺湖で一服したのちに関越道で都内に戻ってくるという400km超えのグランドツーリングコースだ。ステアリング右にあるコラム式シフトレバーをDに入れ、回生モードを「高」に入れておけば、アクセルペダルのオン・オフだけで停止まで持っていけ、街中走行を楽々とこなすことができる。
首都高や東北道に入ってしまえば、コラムシフトをもう一段下げるだけで新型パイロットアシストがすぐに作動し、遅いトラックなどに近づくとわずかに幅を開けて追い越すなど、行き届いたハンドル操作を自動で(静電式なので、手を触れておくだけでいい)やってくれるし、レーンチェンジアシストでは車線変更も思い通りにやってくれる。いろは坂をワンペダルで制覇するのはとても楽しい体験だった。またチャージなしで戻ってきても残り20%という足の長さも証明してみせた。
一方、ES90ではターンパイク頂上の大観山パーキングにズラリ設置してある国内最速の240kW出力を誇る「FLASH」の急速充電器で充電を試した。早速繋いでみると、なんと254.3kW(定格出力オーバー!)もの超高速充電を実現して見せたのだ。返却までの時間があまりなかったのでたった6分間だけだったけど、18.50kWhの電気を飲み込み、残量は54%から70%に回復。こうした最新ハイスピード充電器の普及が、電気自動車の需要拡大に直結することが確信できたのだ。
(報告/撮影 石原彰)










